GID性同一性障害・ジェンダークリニック  診療科目:形成外科、美容外科、麻酔科(厚生労働省麻酔科標榜認可番号7903号)

性同一性障害に関する裁判

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性同一性障害(GID)に関する裁判の判例

一般人の私たちには法律用語は難しいのですが、裁判所がどのように考えているのかがわかりますので、一度目を通しておくことをお勧めします。

性同一性障害により性別変更したことを理由に会員制ゴルフクラブの入会を拒否することはできるか?

同ゴルフ場を経営する会社に対し、女性(MTF)が会社に損害賠償を求めた案件です。

会社側は、MTFが女性浴室や更衣室の利用で会員に不安感や困惑が出る恐れがあると主張した。裁判所は、その女性(MTF)は戸籍のみならず外見上も女性で、女性用施設を利用した際に混乱が起きていないことから、会社側が危惧するような混乱が生じるとは考え難いとしたうえで、性同一性障害(GID)が本人の意思に関わりなく生じる疾患であることが社会的にも認識されており、会社側がクラブの構成員選択の自由を有することを考慮しても、憲法14条などの趣旨に照らし、社会的に許容しうる限界を超え、違法であるとして、女性(MTF)に対し、慰謝料100万、弁護士費用10万の損害を認めた。
静岡地方裁判所浜松支部判決/平成24年(ワ)第627号
※27年11月に経産省でのMTFの扱いに不服として、現在係争中の裁判もあります。

未成年の子がいる者につき性同一性障害を理由とする名の変更は認められるか?

性同一性障害者であって日常生活は女性として生活しており、戸籍上の名が男性であることを示すものであるため、性別アイデンティティーの維持や社会生活における本人確認等に支障を来していること、性同一性障害に関する治療のガイドラインに沿ってホルモン療法を受けており、最終的には性別の取扱いを変更する予定であること、女性と受け取られる通称名を少なくとも9か月余り使用していることなど判示の事情の下では、名を変更しなければ社会生活上著しい支障があるということができる。

他方で、未成年の子がいるため当分は性同一性障害の性別の取扱いの特例に関する法律に基づく性別の取扱いの変更が認められないとしても、名の変更により上記未成年の子の福祉に悪影響が生じる具体的な恐れがあるとはうかがい知れないことからすると、名の変更については「正当な事由」がある。
高松高等裁判所決定/平成22年(ラ)第126号
※現行では、未成年の子がいる場合は、戸籍変更ができないとされますが、改名は問題ないのではないでしょうか?
なぜ、このような事例が裁判になったのかわかりません。なぜ裁判所は改名の変更を認めなかったのでしょうか?

FTMが男性としての労働者賃金をもとに損害賠償請求できるか?

戸籍上は女性だが、男性として生活する性同一性障害(FTM)の交通事故による損害賠償請求訴訟において、性同一性障害を認定し、逸失利益は、高卒の男性労働者の平均賃金を基にした基準を用いるのを相当とした上で、5割の過失相殺をした限度で、請求を一部容認した事案。
岡山地方裁判所倉敷支部判決/19年(ワ)第322号

懲戒処分禁止等の仮処分申し立て事件

1 債務者が、性同一性障害である債権者に対してなした懲戒解雇につき、解雇理由としてあげられた①配転命令拒否、②配転命令後に業務の引継ぎを怠ったこと、③社用パソコンを使用して私的に開設したホームページに誹謗中傷または業務上の機密を漏えいする記事を書き込んだこと、④女性の服装、容姿で出勤しないように命じた業務命令に従わなかったことがいずれも懲戒解雇理由に該当せず、または懲戒解雇としての相当性が認められず、権利の濫用として無効とされた例

2 服務命令に違反して女性の容姿をして出勤した債権者の行為は、就業規則所定の懲戒解雇理由に当たり得るが、債務者に、債権者の性同一性障害の事業を理解し、その申出に関する自らの以降を反映させようとする姿勢が欠けていたこと、女性の容姿での就労を認めることが、企業秩序または業務遂行に著しい支障を来すと認めるに足る疎明なこと、等の事情に照らせば、懲戒解雇に相当するまでの重大かつ悪質な企業秩序違反と認めることはできないとされた例

3 債権者の地位保全等の仮処分申立てに対し、被保全権利として1年間に渡る賃金仮払いの必要性が認められた例(地位保全は却下)
東京地方裁判所決定/平成14年(ヨ)第21038号

性別変更をすでに済ませた性同一性障害のFTMの妻の子は、嫡出子と認められるか?

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項の規定に基づき男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた者の妻が婚姻中に懐胎した子は、民法772条の規定により夫の子と推定されるのであり、夫が妻との性的関係の結果もうけた子であり得ないことを理由に実質的に同条の推定を受けないということはできない。

解説
「通常婚姻中に生まれた子どもは、その夫の子どもと推定される」というのが民法上の解釈です。ところが、FTMの場合、戸籍上は「男性」ですが、生殖能力がないことがわかっています。FTMとその妻との間にできた子どもは、推定の及ばない嫡出子ということで、役所は戸籍上は嫡出子を認めないとしたため裁判になりました。

夫の精子でなく他人の精子で体外受精して妊娠、出産した場合も「夫の子ども」として推定されます。これも既成事実を知っていれば、FTMと同じ理論になります。「他の精子を提供されて体外受精で産んだ子どもです」とわざわざ役所には言いませんよね?

そのため、なにも言わなければ、戸籍上もこの場合「嫡出子(子ども)」として登録されます。この理論は、まったく今回の事例と同じことです。ただ、FTMと事前にわかっているだけなのです。
判事の中には反対意見もあったようですが、以下の判決が下されたのです。

「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項の規定に基づき男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた者の妻が婚姻中に懐胎した子と嫡出の推定する」
最高裁判所判決決定/平成25年(許)5 / 平成25年12月10日

拘置所長は,原告の意思に反して原告の頭髪を強制調髪してはならないか?

留置場に入所したMTFが、留置所長より頭髪を原型刈りか前五分刈りにするよう強制されたが、自分は女性として生活してきたため、そのような髪形は納得がいかない・・・。

頭髪が、原型刈りか前五分刈りというものであって,生活上格別の不利益をもたらしたり,精神的・肉体的な苦痛を生じさせるものではなく,その人の社会的評価を著しく損なったり,人間の尊厳を害するものでもない。

原告が調髪されることによって被る損害は,刑務所の規律と衛生保持という調髪処分の行政目的達成を犠牲にしても救済されなければならないほど重大なものとは認められない。

仮に男子受刑者の調髪処分の必要性が認められるとしても,原告には,性同一性障害という特殊事情があるため,女子受刑者と同様に扱うべきであって,原告に対し調髪処分をすることは許されない。

原告は,性同一性障害という特殊事情から,調髪処分については,女子受刑者と同様に扱うべきであると主張するが、原告が性別をまだ変更していないので、原告を法的に女子受刑者として扱うことは不可能であり,むしろ許されない。

原告の身体能力が女性と同様であるなどとはいえない以上,男性同様の管理をすべき必要性,合理性は何ら否定されるものではない。

結局、法的に性別を変更していない性同一性障害の受刑者は、その生物学的な性として扱われるということでした。
行政処分差止請求事件 平成17年(行ウ)75
平成18年8月10日名古屋地方裁判所 判決結果:原告の主張は棄却

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