悩みを打ち明けられたら、受け止めること

性同一性障害GIDで苦しんでいる自分の息子や娘が姿を見るのは親としても辛いことです。

もしかして、両親は、子供に対して、男で生まれてきたのだから男として生きてほしいと思う気持ちもあれば、心は女性なのだから女性としてやり直せばいいと考える気持ちもあるかもしれません。

その葛藤に苦しむのは本人も家族も変わりません。親の理解も必要になります。

性別違和があると子どもが打ち明けることを「カミングアウト」といいます。

本人にとって、勇気のいることで、打ち明ける相手を信用しているからこそ、打ち明けます。

突然、打ち明けられても困るかもしれません。

しかしながら、専門家としての助言が欲しくて打ち明けているのではありません。

本人が親に打ち明けるのですから、親として、自然体に受け止めればよいのだと思います。

突然にカミングアウトされても、最初は理解できなくて当然なのです。

本人と家族がいっしょに将来のことを学んでいくことが大切ですし、性同一性障害を抱える娘や息子の気持ちを常に考え、親として子供を愛するという気持ちを伝えていくことが子供にとっていちばんの精神安定剤になります。

一番やってはいけないのは、否定、または、その話題に触れないようにすること。

そして、自分はわからないから、専門家に診てもらった方がよいということ。

そのまま本人の言うことに耳を貸すだけでよいのです。

そして、ゆっくり聞いてあげること。

頭ごなしの否定はもっともよくありません。

話を十分に聞いてくれるだけで、本人の違和感が和らぎ、将来について、現実的に考える助けになることでしょう。

今後の治療についてどうしたらよいか?

ホルモン治療

性別変更手術とは無関係に、いくつかの心理的側面にプラスの効果を持つことが実証されています。不安、苦痛、うつ病、自尊心と生活の全体的な質を向上させることができます。

現在性別違和が原因でうつ病などになっている場合、根本的な理由が性別違和であるにもかかわらず、うつ病の薬を処方される場合が多く見受けられます。

両親が、本格的なホルモン治療を始めることをすぐに認めることができない、または、本人自身に性別違和のゆらぎがあり、どちらの性か悩んでいる。

にもかかわらず、二次性徴の男性的、女性的な特徴に嫌悪感や性別に違和感を生じているひとには、一時的に二次性徴の特徴を止めることができます。
二次性徴抑制ホルモン(GnRHアナログ治療)18歳未満適応

考えられる治療

FTM:胸オペ(乳腺摘出、乳房切除)、性別適合手術
MTF:睾丸摘出豊胸手術、性別適合手術

日本国内の法律では、究極的なことを言ってしまうと成人になれば何をするにも親の承諾は必要ありません。

とはいうものの実際には、家族内でのいろいろな問題があると思いますので、現実的にはほとんどの方が両親のおおよその承諾(理解)を持って治療を進める傾向にありますし、実際に理解を持って治療していただきたいです。
今後の治療を順調に進めるには、親の理解も大切となってきます。

子どもが将来独立して、幸せに生きていくになにをすればよいか今一度考えてみてください。

性同一性障害GIDの治療に際し、こどもの治療に反対もしくは、理解できない方も少なくないかと思います。

いきなり、子どもに性同一性障害GIDであることをカミングアウトされてもすぐに理解できる親はほとんどいません。

子どもは、いくつになっても子どもなのはわかります。

子どもの取り巻く環境、悩みを解決すべく少しづつでもいいので理解していただけると嬉しいです。

当院では、治療をおこなって行く上で、副作用などしっかり理解して治療をおこなっていきます。

今後治療して行く上では、成人ではあるかもしれませんが、大切な子どもを責任持って治療していきます。

また、ご両親だけの来院の際には、本人の承諾が必要となりますが、不明な点はいつでもいらしてください。

本人の承諾がなければ、性同一性障害の治療についての一般論をお話します。

個人情報の観点から、ご家族でも、本人(当事者)の承諾なしには、現在の治療などの確認などはできませんのでご了承ください。

通院しているかどうかのお答えもできないことをご理解お願い致します。

家族が性同一性障害の子供の健康を促進するのを助ける支援行動

    • 子どもと性同一性障害についてのアイデンティティについて話す
    • 子供が性同一性障害であると伝えて来たとき、または子供が性同一性障害であることを知ったとき、愛情を表現する
    • 不快に感じるかもしれないが、あなたの子供の性同一性障害のアイデンティティをサポートするようにする
    • 性同一性障害のアイデンティティのために虐待されている子どものために擁護する
    • 他の家族があなたの性同一性障害の子どもを尊重することを要求する
    • 子どもを性同一性障害の団体やイベントに連れて行く
    • 子どもを性同一性障害の大人のロールモデルと結びつけ、将来の選択肢を示す
    • 信仰のコミュニティが性同一性障害のメンバーを支援するようにするか、家族やLGBTの子どもを歓迎するような支援的なコミュニティを見つけましょう
    • 子どもの性同一性障害の友人やパートナーをご自宅や家族の行事や活動に歓迎しましょう
    • 子どもの性表現をサポートする
    • あなたの子供がLGBTの大人として幸せな未来を送れると信じてください【関連記事】☞児童生徒の性別違和の対応

トランスジェンダーの子どもは、自殺行動や物質乱用などの行動的健康リスクの増加に直面しています。親が肯定的であることは、医学的治療をする際にも、シスジェンダー児と同様の状態、変化を見込めます。2008年から2018年までの米国またはカナダにおけるトランスジェンダー児の子育ての経験に関するエビデンスを評価したところ、ほとんどの親は、面接時に子どもの性別を肯定していると述べています。親は、最初の対人関係プロセス(感情、懸念、信念)を報告し、教育(頻繁にオンライン)を求め、常に肯定的とは限らない家族や専門家と相互に連絡し、支援団体を利用したが、子どもの必要性に比べて自分自身の幸福の優先順位は低いと述べています。親自身の幸福へのニーズは、トランスジェンダー児の育児過程に影響を与える可能性があり、親以外の家族の経験や、より多様な背景を持つ参加者の経験を取り上げる必要があります。

これらのことを精神科では、なかなか時間をかけて聞いてくれません。
主として心理面での包括的な支援、さらに、ご家族との関係やご家族が抱える多様な悩みについての相談ができます。
新都心ホームケアクリニック
埼玉県さいたま市中央区上落合2-6-1
シティタワーさいたま新都心1F
TEL:048-858-6600

自由が丘MCクリニック院長の大谷です

当院は、主に性同一性障害専門クリニックとして、GID学会認定医によるgidに関する診断、ホルモン治療、手術、そして、性別変更までのお手伝いをさせていただいています。
クリニックのご案内
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