手術後のあとのことを知りたい

術後の生活、安静度、オペ後の日常生活・仕事復帰についての記載があります。

Q 手術後に腕は挙げられますか?

A 手術直後から腕は挙げられます。

翌日以降も腕は挙げられますが、日常生活の上で不必要に挙げなければ特に問題になることはありません。

ただし、重いものも持ち上げたり、動かしたりするのは控えた方がよいでしょう。

Q 手術後に腕は腫れますか?

A 胸オペをした後、腕が腫れるのか?聞かれることがあります。おそらく、乳がんの手術後のイメージから来ているのかもしれません。

乳がんの手術は、脇のリンパ節にまでがんが転移している場合もあるので、リンパ節を切除することがあります。そのため、リンパの流れが悪くなり、オペ後に腕が腫れることが多いのです。
胸オペの場合は、リンパ節を取り除かないので、術後にリンパの流れが悪くなることもなく、腕がらなくなることはありません。

・胸オペ後の痛みについて

Q 痛みがほとんどないのですが、渡された薬は飲んだ方がいいですか?

A 痛みが強く出るのは、個人差はありますが翌日までドレーンの出口に痛みを感じる方が多いです。

特に、皮下脂肪があまりないひとは、ドレーンが圧迫されて痛みを感じるひともいます。

このような場合は、たいていドレーンを抜いたあとは痛みも軽くなります。

痛みがあまりない場合は、痛み止めをムリに飲まなくてもよいです。

抗生剤は、できるだけ飲み切ってください。
・胸オペのキズの処置ついて

Q 傷口のテープが剥がれてしまいましたが、どうすればいいですか?

A テープが剥がれてしまったときは、術後にお渡ししたテープで交換してください。

その際、とくに消毒は必要はありません。

抜糸の後のテープは、翌日剥がしてもらうか、剥がれた際はそのままで問題ありません。

また、ドレーンを抜いた後のテープ(細長い白いもの)は、取れない限り抜糸時までそのままで大丈夫です。

Q シャワーを浴びるとき、キズは濡れてもいいでしょうか?消毒したほうがいいですか?

A キズの処置に対する概念は、現在、昔とだいぶ違ってきています。

以前は、消毒をしないといけないといわれていましたが、現在では、逆に消毒をすると治りが悪くなることもあると言われています。

胸オペ後のシャワーも傷に多少水がかかってもよいですし、ゴシゴシしたり石鹸を使わずに、軽く拭く感じにしましょう。

シャワー後は、水分を拭き取り、テープで保護してください。

Q 近所の病院では、消毒をしているようですが・・・

A キズの消毒は、自分でしなくてよいです。キズはキズパワーパッドの医療用をお渡ししています。

現在のキズ治療は、消毒しないのが常識になりつつあります。胸オペ後も同様に、キズに対しての特別な消毒は必要ありません。

もしかして、近所の病院は時代遅れのキズの治療をしているかもしれません。

傷口に出てくるジュクジュクした液体には、実はキズを治すための物質が豊富に含まれています。

消毒液ポピドンヨード(イソジン®)などはこの成分を殺してしまいます。

傷口に消毒液を使うと、逆にキズの治りが遅くなり、傷口の化膿もすすんでしまう可能性もありますので、使わないようにしてください。

なお、キズとその周囲は時間とともに改善していきます。

「キズから汁(浸出液)がたくさん出てきた」「キズの周りが痛い」「皮膚が赤く腫れてきた」などがあったら、キズに関して心配なことがあれば、自分で判断しないでクリニックに連絡ください。

Q 仕事はいつから復帰してよいですか?

胸オペ後の仕事に復帰できる時期は、個人差がありますが、たいてい1週間後の抜糸以降に可能です。

ただし、激しい肉体労働を伴うお仕事の場合は、できるだけ腕に力の負担がかからないように、重い荷物を持つときは、からだに引き寄せてから持ち上げるなどしましょう。

Q 胸オペ後の筋トレ、激しい運動、スポーツはいつからしていいですか?

A 胸オペも他のオペと違って特別なオペではないので、キズとその周囲は、落ち着くのに、約1か月ほどはかかります。

運動やスポーツも無理はせず、いきなり運動量の100%からやるのではなく、上肢のストレッチなどしながら軽い運動から始めていきましょう。

・手術後のからだのこと

Q 胸オペした後、乳がんになることはありませんか?

A 結論からいうと、胸オペをしてもFTMでも乳がんになる可能性はあります。

男性も乳がんになることがあるように、頻度はかなり低いですが可能性はゼロではありません。

乳腺を取り除き男性化しても、乳輪の真下の乳腺が一部を、男性と同じように残しています。

これは、乳輪の場所のみが陥没しないようにするためです。

ただし、男性ホルモンを打っているFTMは、乳がんの頻度はかなり低くなります。

詳しくは☞胸オペ後にはFTMは乳がんにはならない?

Q ホルモンのバランスを崩すことはないですか?

A この質問は、FTM当事者の母親から心配されよく聞かれる質問です。

乳腺組織から女性ホルモンは、分泌されません。

乳腺は、生殖系にはまったく影響することはないので、胸オペ後に、ホルモンのバランスが崩れることはありませんし、胸オペをしたせいで、体調を崩すことありません。

胸オペの手術前の注意事項

Q なぜ手術当日朝ごはんを食べてはいけないのですか?

胸オペ前の食事禁止

A イボ、ほくろを取るような小手術の麻酔ならまったく問題はありませんが、胸オペ(乳腺切除、乳腺摘出)は手術時間が長くかかり、手術中に意識がない麻酔方法で行うためには、全身麻酔、静脈麻酔をしないといけません。

この麻酔は、筋肉も多少ゆるくなりますので、胃の入口を開閉している筋肉もゆるみます。

その内容物が逆流し、気管支を詰まらせることがあるので危険だからです。

手術当日の朝は、絶対固形物を食べてはいけません。

食べてきた場合は、手術は延期になってしまいます。

どうしても空腹に耐えられない場合、手術2時間前までは、次のものを自由にとってかまいません。

  • お水、お茶、紅茶、スポーツ飲料(牛乳などの乳製品は×)
  • 透明なジュース(果汁や果実の入ったものは×)
  • 氷砂糖、あめ玉(ゴマや豆類の入っていないもの)

Q 現在男性ホルモン治療を行っています。胸オペ前に、ホルモン注射をしてもいいのですか?

A ホルモン125㎎投与中の方は胸オペの2週間前、250㎎投与中の方は3週間前を最後の注射にしてください。

男性ホルモン自身は、血液をドロドロにさせる作用を持っているために、直前に注射すると血流が悪くなることがあるからです。

ただし、厳密にはあまり関係がないという海外の報告もあります。

Q お酒とタバコは止めた方がよいですか?

胸オペとタバコ

A 手術前一週間と抜糸まで(約一週間)はお酒とタバコは控えてください。

飲酒:術後の血行が良くなるため出血のリスクがあります。

タバコ:タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させる作用があります。

また、小さな血管の血流障害により傷の治りを悪くなるリスクがありますので、術後の経過に影響が出る可能性があります。

胸オペ前にできるなら8週間前に禁煙するのが望ましいです。

アイコスIQOSもニコチンを含みますので、紙タバコと同じ作用があり、影響もあると考えてください。

Q 手術日前後に、生理が来ても大丈夫ですか?

A 手術当日に生理があっても、とくに問題はありません。事前に、ナプキンをご持参頂き、装着をします。

手術中に突然生理になった場合も、クリニックにナプキンの準備がありますのでご安心ください。

手術中は尿道カテーテルを挿入しますが、その際も問題ありません。

Q 手術日の夜は、シャワーを浴びてもいいですか?

A たぶん、手術当日にシャワーを浴びたいと思わないかもしれません。958

もし浴びるにしても、手術部位の血行が良くなるため出血のリスクが高くなります。

下半身のシャワーは術後1日目からです。

全身のシャワーはドレーンを抜いた翌日から傷口を濡らさないように行うことができます。

お風呂に浸かる入浴は抜糸時に傷の状態を確認して、大丈夫そうであれば翌日から可能です。

FTMの胸オペ(乳腺摘出)の質問Q&A:手術前に知りたいこと
胸オペのできる年齢、どんな方法で行うのか?などの手術前の知りたいことの記載があります。

胸オペの麻酔、当日についてQ&A
麻酔方法は?手術中に痛みあるのか?完全に寝ている状態か?などの記載があります。