親御さんへ:胸オペの「若年での決断」について考える

性同一性障害(GID)認定医 大谷伸久

胸オペの「若年での決断」について考える

なぜ若いうちに胸オペを望むのか?

  • 心身の苦痛が強くなる前に解消したいという願い
  • ホルモン療法の早期導入により、傷あとが小さい手術が可能
  • 自然体で社会生活を送れる時期を早く得たいという希望

「早すぎるのでは」と思う親御さんへ

そのお気持ちは自然です。ですが、若い時期だからこそ以下のメリットがあります:

  • 皮膚の柔らかさがあり、U字切開など傷の少ない術式が選べる
  • 再手術や大きな瘢痕のリスクが減る
  • 心理的回復力も高く、社会復帰もスムーズ

心の健康面でも重要な手術です

  • 性別違和による抑うつ・自己否定・孤立を軽減
  • 胸オペによって自信が生まれ、行動の自由さが増します

親としてできること

「100%理解できなくても、一緒に考えたい」
その姿勢が、何よりも大きな支えになります。

受け入れのための3つのステップ

  1. 専門家との話し合いを設ける – 医師と一緒に不安を整理、セカンドオピニオンも利用する
  2. 「将来の後悔」を想像してみる – 手術を受けられず苦しむ未来があるかもしれません
  3. 手術=終わり ではない – これは自分らしく生きるためのプロセスの一部です

親御さんの声から

「反対していたけど、手術後の穏やかな表情を見て “これでよかった” と思えました」

ご不安や戸惑いは自然なことです。
でもその気持ちを「一緒に前を向く力」に変えていけるよう、私たち医療者も全力でサポートします。

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※オンライン診療するにあたり厚生労働省の研修プログラムを受けています。

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このコラムを書いた人

性別不合(GI) 学会認定医/大谷伸久のアバター 性別不合(GI) 学会認定医/大谷伸久 自由が丘MCクリニック 院長

平成6年北里大学医学部卒業(医籍登録362489号)
国立国際医療センター、北里大学病院、順天堂大学医学部研究員などを経て、平成20年:自由が丘MCクリニック開業

当院は、主に性別不合(GI)専門クリニックとして、性別不合(GI)学会認定医による性別違和に関する診断、ホルモン治療、手術、そして、性別変更までのお手伝いをさせていただいています。

ホルモン治療、手術についてわからないことなどありましたら、気軽にLINE、またはメールからお問い合わせください。

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