FTMの男性ホルモン治療開始後、どの程度頭髪が禿げるのだろうか?

今回ご紹介するFTMの禿げに関する報告は、あくまでも性別適合手術(SRS)を終えたFTM50人に統計を取ったものです。

SRS前に男性治療を2年間以上(平均9年弱)したFTMを対象としています。
治療に使われている男性ホルモンはすべて、長期型を使用しています。(注:ヨーロッパでは、短期型男性ホルモンが現在ではほぼ使われていません。)

脱毛症(禿げ)のタイプとその進展度

脱毛症の分類には、Norwood Hamiltonの分類が今でも最も使われています。
その脱毛(禿げ)の進展度によってスコアをつけて重症度を調べます。

Type I: 生え際には脱毛がない。あっても若干程度。
Type II: 前側面の生え際が、左右対称性に禿げ上がる。
Type III: TypeⅡと同様に左右対称に生え際が禿げ、深くなる。一部登頂が薄い場合もある。
以後タイプⅤまで続く。

 

FTMの禿げの進展度は、男性ホルモン治療期間の長さに関係する

37%のひとが、上記タイプⅠで剥げていない。33%がタイプⅡで、軽度に薄くなっている。タイプⅢ以上は31%だった。脱毛症と年齢は関係があり、男性ホルモン治療期間とタイプには関連性がなかった。

男性ホルモン治療開始1年では禿げの進展はほとんどないが、長期治療すると禿げは進展する。

25%のFTMが10年以内にタイプⅡからⅢまでの禿げに進展した。ただ、幸いなことに、この進展度は、通常の男性の頻度より低い。18~50歳男性の42%がこの程度の禿げになる。

短い期間の治療だけで見るとほとんど禿げないが、男性ホルモン治療が長ければ長いほど禿げが進展する。年を取るごとに禿げの大きな影響が生じてくる。前額部の毛根部のアロマターゼの濃度は、女性は男性に比べ、6倍もある。

FTMは、局所的なテストステロン、エストロゲンの割合が男性と異なるために、禿げの進展を促進をさせない可能性がある。長期の男性ホルモン治療となるとまだ不明な点が多い。

※コメント
単純に比較できませんが、海外の医学論文を読む限り、海外のFTMは日本人より期間、容量が多い感じがします。他の薬も、海外の薬は欧米人の規格であるため、日本人の体格(体重計算)とはかなり異なります。

このことからすると、日本人は、その体型になった容量もしくは期間で治療していくのがベストです。
FTMの頭髪禿げ治療

☞参考海外医学文献
Short-and long-term clinical skin effects of testosterone treatment in trans men.