今回は、特にFTMの人向けの話に絞ってみました。
男性ホルモン(テストステロン)の量は、血液や尿で検査で正確に調べることができます。
これは、今現在測定してわかるホルモン量ですが、「過去に」男性ホルモンをどの程度浴びていたのか?
ただし、その時期は胎児のときの話になってしまいますが、これを簡単に判断できる方法があります。
例えば、FTMのひとはどうでしょうか?今現在の男性ホルモンの量となると、FTMは、外から男性ホルモンを補っています。
これを外因性のホルモンといいます。もともと体内で分泌されているホルモンを内因性ホルモンといいます。
男に生まれるのではなく、男になる!?
さて、指の話の前に、なぜFTM、MTFになるのか?
簡単にいうと、生物学的な性と自認する性が一致しなくなるのか?
FTMであれば、生物学的な身体は女性なのに、脳は男性型ということになりますよね。
これにはいろいろな要因が考えられていますが、その1つに男性ホルモンの存在が挙げられています。
性染色体は、すでに卵子と精子が受精したときに、性染色体で生物学的性が決まってはいるのですが、これ以外にも本当の?男性と女性になるべき要因があります。
ヒトは、男性化をうながす遺伝子のはたらきかけ+出生前と後で2回の大量の男性ホルモンを浴びずに、これらがうまく働かないとヒトはみな女性になると考えられています。
胎児期のテストステロンの暴露は、外性器の決定だけではない?
なお、発生過程でうまくいかなかった場合には、性分化疾患になります。
男性ホルモンと人差し指と薬指の関係
さて、指の話に戻しましょう。
胎児のときに、どれだけ男性ホルモンを浴びてしまったかを調べる方法は、手の指です。
手を伸ばした状態で人差し指と薬指の長さを比べてみることです。
男性の場合、人差し指よりも薬指の方が長いのが普通ですが、この差が大きいほど薬指が長いほど、テストステロンを多く浴びたという傾向にあります。
これは、薬指の骨軟骨にテストステロンの受容体が多く存在することによります。
男性ホルモン↑
⇒薬指の骨軟骨の細胞分裂を活発
⇒薬指を長くする
男性ホルモン↓
⇒薬指の骨軟骨の細胞分裂を抑制
⇒薬指を長くならない
男性で言うと、野心家は薬指が長い傾向にあります。
サラリーマンより自営業のひとは組織に属さず、一人で収入を得ていくひとは、開拓や狩りに通じる部分があり、それが男性ホルモンの量にも関係していたと考えられています。
同様のことは、女性にも言えて、専業主婦より、外に社会進出していく女性、女性の経営者は、薬指が長い傾向にあるようようです。
このように考えていくと、FTM、MTFの場合はどうでしょうか?
FTMのひとたちも、胎児期に男性ホルモンを多く浴びて、男性型脳になったと考えると、もしかして、指も男性型かもしれませんよね。
では、実際のFTMの指を調べてみると、確かに人差し指より、薬指の方が長いひとが多い感じがします。とくに理由はないようですが、左より右側の指は男性ホルモンの影響をより受けやすいらしいです。(確かに、左右違います・・・自分は)
これらに関してはいろいろな医学論文がありますが、確定的なことではなく、あくまでもその傾向があるということで、結論は出ていません。あくまでも仮定の話です。
一喜一憂することのないようにお願いします。
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