私は、女性で生まれて男性になりたいと思う性同一性障がい者(FtM)の一人です。

物心ついたころから、男の子の好む格好や行動をしていた私は、小学校の高学年になると、周りから「男女」「おかま」と呼ばれるようになる機会が増え、中学生には、女性への身体の変化に嫌悪感を抱くようになりました。

話せば声が、脱げば身体が、着れば制服が、呼ばれれば名前が、財布の中の保険証が、世の中のものすべてが僕を「女」だと言い、それに基づいて生きられない自分がまるで罪人のように思えました。そしていつしかリストカットを繰り返し、死ぬコトだけを考えるようになっていきました。

そんな私が変われたのは大学生の時。初めての友人へのカミングアウトで「あなたは変じゃないよ。大変だったね。」その一言をかけてもらえたことです。誰にも受け入れられないと心から思っていた私にとって、生まれて初めて「生きていていい」と言われたように感じました。

一方で、親からは「男なわけないでしょ!なんてわがままなの!」と言われ、最初は全く受け入れてもらえませんでしたが2年の歳月をかけ、少しずつ理解をしてもらえるようになりました。

胸の摘出手術(胸オペ)や名前の変更、ホルモン治療をしたこともあり、今はどのコミュニティでも私を「男」として受け入れてくれ、両親も「うちの息子がね…」と人に話してくれるようにまでなりました。