性同一性障害(GID)認定医 大谷伸久

胸のふくらみは、女性ホルモン(エストロゲン)治療後、3〜6ヶ月以内に始まります。もっとも大きくなる時期は通常、ホルモン投与の2年後に達成されます。

女性ホルモンによる胸のふくらみの限界

しかしながら、 MtF の 50~60% は女性ホルモン治療だけではこの程度の乳房の成長には満足しないかもしれません。

MTFの豊胸における満足度

この胸の大きさが小さく見えるのは、MtF自身のからだにおける胸の大きさと身長、および男性の胸の寸法の間とに不均衡を生じているからです。このような時点で、豊胸をしようと考える方が多いようです。

MTFに見られる豊胸の特徴

可能な限り最良の結果を得るために、豊胸手術を受ける前に少なくとも12ヶ月間女性ホルモン治療を受けていた方がよいです。

女性ホルモン治療を始めると、乳頭の成長と乳房組織の発達が生じ、美容上の結果が良くなり、手術がより成功する可能性が高くなります。

現実的な期待を持っている必要があります。あなたの豊胸は、より充実した、より女性的な胸になりますが、結果は完璧ではないかもしれません。

胸がしっかりしていると、豊胸した胸は、丸くて、少し離れているかもしれません。見た目と自然な胸とはやや異なって感じる傾向があります。

豊胸手術の適応

女性ホルモン治療を最低1年は継続し、胸のふくらみが少し生じていること。

手術方法


インプラントは、①大胸筋下、もしくは、②乳腺下に挿入します。それぞれのメリット、デメリットを説明します。
①大胸筋下
乳腺組織が小さい、脂肪が少ないような乳房組織が発達していない乳房に適しています。

大胸筋の下に豊胸インプラントバッグを入れるため、触った感触が弾力性があり少し硬めで、少し動きにくい欠点があります。
②乳腺下
一般的には、乳房がもともと大きくて下垂してきた乳房に適しています。

乳房組織に乏しいと、皮膚の下にいれるようなものなので、ダイレクトに豊胸バッグの形がわかります。

また、拘縮(豊胸バッグの周りに被膜ができて動きが悪くなること)すると、見た目がボールを入れているようになります。

長期的なことを考えると、MTFの方には乳腺下は勧められません。
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自由が丘MCクリニック院長の大谷です

当院は、主に性同一性障害専門クリニックとして、GID学会認定医によるgidに関する診断、ホルモン治療、手術、そして、性別変更までのお手伝いをさせていただいています。
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