MTFとシス女性の脱毛の目的や方法は、それぞれの身体的特性、社会的背景、心理的ニーズによって異なります。
1.MTF脱毛の目的
MTF(Male-to-Female、トランス女性)の脱毛の目的や方法は、それぞれの身体的特性、社会的背景、心理的ニーズによって異なります。
特にMTFでは、脱毛が外見的な変化だけでなく、性別適合プロセス全体の一環として重要視されるため、医療的および心理的な側面を含む包括的なケアが必要とされます。
性別違和の緩和
• 体毛が多いことが、自己認識する性別(女性)との不一致を強く感じさせ、性別違和を引き起こす要因となる。
• 脱毛により「男性的」とされる身体特徴を軽減し、自己像と理想像を一致させることを目指す。
• 女性らしい外見を得るための性別移行プロセスの一環として考えている。
• 特にヒゲ脱毛は重要で、青髭を隠すためやメイク効果向上を目的とする。
社会的認識の向上
• 外見が女性らしくなることで、周囲からのパス度(性別認識)が向上し、社会的なストレスを軽減。
医療的要因
• 性別適合手術SRS(例:陰茎形成術や膣形成術)前に、一部陰部脱毛が必要になります。
シス女性の脱毛は美容目的が主であり、手軽さや美観への対応が重視されます。一般女性(シス女性)とMTF(Male-to-Female、トランス女性)の脱毛の目的や方法には、生物学的特徴、心理的背景、社会的背景に基づいて違いがあります。
<美的要因>
・社会的に規定された「女性らしさ」の基準に合わせ、肌を滑らかに見せるため。
・ムダ毛処理が主。「不潔」「不美観」と捉える文化的要因が強い。
・部位はワキ、脚、腕、首筋などが一般的。
<生活面での要因>
・脇毛や脚の毛を処理することで、臭いや蒸れを防ぐ。
・特定の場面(例:水着を着るなど)での見た目を整える。
2.脱毛の方法
MTFの場合、性別移行に伴う心理的ケアや医療機関との連携がとても重要であり、ジェンダークリニックでの施術は医療的要因を考慮した脱毛を行うことができます。
3. 背景の違い
生物学的な体毛の特徴
シス女性は、女性ホルモン(エストロゲン)の影響で体毛が比較的薄い。毛が細く薄いため、比較的少ない回数で済むことが多い。一方、MTFは次の特徴があります。
<MTF>
•元々の男性ホルモン(テストステロン)の影響で体毛が濃く、密度が高いことが多い。
•女性ホルモン(エストロゲン)治療でテストステロン抑制され新しい体毛の成長が減少するが、既存の体毛には影響がないため脱毛が必要。特に、ヒゲへの効果は限定的なため、脱毛が必須です。
•特にヒゲや濃い体毛は、エステ脱毛で行われる一般的な光脱毛では効果が薄いため、医療用レーザー脱毛が推奨されます。
•男性ホルモンの影響で体毛が濃く、密度が高いため、シス女性よりも多くの回数が必要。とくにヒゲの場合、10回以上必要なことが多い。
心理的要因
シス女性は、美意識や社会的基準への適応を重視するが、MTFは、自己肯定感の向上や性別違和の軽減を重要視する傾向にあります。
社会的要因
シス女性の脱毛は、「ムダ毛」を減らし、女性らしさの象徴として広く普及していますが、MTFは、トランスジェンダー女性が社会的な偏見を減らし、生活の質(QOL)を向上させるために、外見的変化を目指すことが多い。
4. コストと時間の違い
シス女性は、短期間の施術が主流。一方、MTFの場合は、体毛の多さによっては、医療脱毛を長期間にわたり行う必要があり、コストと時間の負担が大きいこともあります。
【関連記事】
☞MTFのヒゲの悩みを医療脱毛で解決!
☞医療レーザー脱毛価格
当院は、主に性同一性障害専門クリニックとして、GID学会認定医によるgidに関する診断、ホルモン治療、手術、そして、性別変更までのお手伝いをさせていただいています。
☞クリニックのご案内
ホルモン治療、手術についてわからないことなどありましたら、気軽にライン、またはメールからお問い合わせください。
【医師 大谷伸久の経歴】
平成6年北里大学医学部卒業(医籍登録362489号)
国立国際医療センター、北里大学病院、順天堂大学医学部研究員などを経て、
平成20年:自由が丘MCクリニック開業
性別不合(GI)学会認定医、テストステロン治療認定医