性同一性障害(GID)認定医 大谷伸久

性同一性障害(MTF)のヒゲ脱毛

MTFだと、脱毛を断られる女性専用のエステサロンも多いと聞きます。美容クリニックであれば医療用レーザーができます。

とくにGIDに理解のある当院のようなジェンダークリニックであればなおさらやりやすいのではないでしょうか?エステサロンの脱毛よりも、効果の高い医療用レーザー脱毛ですし。

女性ホルモン治療を開始すると、多少ヒゲが生えてくる時間が長くなり、少し細くなった感じはするかもしれませんが、根本的には脱毛されずに解決には至りません。

MTFは特にヒゲがないことが大事です。しぶといヒゲも、脱毛してしまえばつるつるのお肌が手に入り、メイクも楽しくなるはずです。

ヒゲはまず初めにするところ

MTFのひとが一番気にする場所は、肌が露出するところです。ムダ毛を剃って処理すると、どうしても剃った後に毛穴がポツポツ目立って気になるものです。

特にMTFのヒゲは一番目立つところなので、元々ヒゲが濃い方はなおさら深刻です。メイクをしても、コンシーラーを塗っても、完全に剃ったとしても、青さを隠しきれなかったりする人は多いものです。

いくら女性ホルモン治療を続けていても、残念ながらヒゲだけはどうにもなりません。ヒゲを脱毛してしまえば、青さもなくなりメイクもキレイに仕上がり、より女性に一歩近づきますよ。

ヒゲはどのくらい痛い?

脱毛は痛いとよく言われます。特に一番痛い場所は、毛が太く、密集しているところです。

女性が一番行うワキはゴムをはじく程度の痛さですが、そうなると、ヒゲ脱毛はかなり痛いです。もっとも毛が濃い場所なので、体の中で一番痛いのがヒゲなのです。(MTFでなく自分です、体験済)

痛みを表現するのは個人差もあり難しいのですが、よく言われるのは、

・輪ゴムをで思いきり弾いた感じ
・毛抜きで抜くよりかなり痛い
などです。

MTFのひとはヒゲだけでなく、全体的に毛が濃く、太いので、女性の脱毛に比べると痛いは強いでしょう。

昔と違って今は、脱毛と同時に冷却しながら施術するので、痛みはかなり軽減されます。また、美容クリニックのよいところは、エステサロンと違って麻酔クリームなどが使えることです。冷却しながらしても、どうしても痛みに耐えられないようであれば麻酔クリームを使うとよいでしょう。

脱毛していくうちにヒゲはどんどん薄くなります。それに伴い、痛みも徐々に軽くなっていきますので、はじめの3,4回はとても痛いかもしれませんが、最初だけ耐え抜きましょう。

ヒゲにかかる回数は?

ヒゲ脱毛は身体の中で一番回数が多くなります。美容クリニックでは、標準的な回数が5~6回です。これはだいたい女性のワキの回数です。

女性向けの顔脱毛だと、10回程度必要ですが、MTFのヒゲの場合、最低10回以上かかります。医療脱毛でもこのくらいかかってしまいます。

医療用でないエステサロンの脱毛だと、効果も少ない上、通う回数が多くなるので、それだけお金と時間もかかります。

ヒゲの範囲

「ヒゲ」と言っても、人によってどこまで生えているかは変わります。脱毛クリニックでは細かく部位が分かれていることが多いんです。

MTF用の部位の分け方はクリニックによっても異なりますが、たとえば以下のように分けられています。

・鼻下
・あご
・あご下
・もみあげ
・頬
医療用脱毛の費用

ヒゲ脱毛する日の施術の流れ

ヒゲを伸ばしていかないといけない?メイクはしてはいけない?

ヒゲ脱毛の流れ

十分にシェービングする
美容クリニックでおこなわれている医療レーザー脱毛では、ヒゲを伸ばす必要がありません。ヒゲが伸びていると痛いしヤケドの原因になります。脱毛の効果が半減するのでしっかり剃りましょう。

MTFでもヒゲが伸びるのが早い人は当日の朝がよいでしょう。

メイクを落とす
施術する日には、メイクしているとできないので、メイクを施術前に落とさなくていけません。もし当日、メイクして来院の際は施術前に落とします。

そのため、メイクせずマスクなどしてくる方も多くいます。
脱毛後メイクできますので、もし帰りにメイクが必要でしたら持参してください。

脱毛の施術
ベッドで仰向けに寝ているだけです。特別になにかしなければいけないことはありませんが、目を保護するための眼鏡をしていただきます。

患部を冷やす
施術後は、肌が火照った状態になります。実際、脱毛した毛穴に一致した場所が炎症のため赤くなります。保冷剤で少し冷やします。

帰る際には、赤くなった炎症、痛みを抑える薬用クリームを塗ります。このクリームは医薬品ですので、エステでは一切使えず、クリニックだけでしか使えないというメリットもありますよ。赤みは、数時間で消失します。

メイク
施術後は、メイクをして帰ることができますが、施術後に炎症を抑えるクリームを塗るひとは、メイクせずにマスクの着用がよいでしょう。

MTFのヒゲでも必ず薄くなります

MTFのヒゲは、からだの中でもっともしぶといところです。肌がつるつるになるまで、それなりの期間が必要になります。いったん脱毛を始めてしまえば、少しづつヒゲが少なくなりますし、毛も細くなります。

そのときには、メイクもしやすくなるはずですし、すっぴんの肌も毛穴が目立たずきれいになります。

MTFのひとはヒゲを剃るだけでは限界があります。メイクしていてもヒゲがあることがバレてしまいます。毛が濃い人は、かみそり負けしてしまうでしょう。また、毛抜きで対処できるのか?と言えば、毛穴が炎症を起こし、毎回毛嚢炎になることも多いでしょう。

こうなっては、肌のトラブルが絶えません。ヒゲ脱毛をしてしまえば、このような肌のトラブルもほとんどなくなります。

MTFのひとは、女性ホルモン打ってても、女性に見えなく自信がなくなるという人がいますが、たいていヒゲの脱毛すらしていないひとも多いですよ。

ヒゲがないだけで、だいぶ雰囲気が変わりますので、ヒゲとさよならして、もっと女性化してくださいね。
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自由が丘MCクリニック院長の大谷です

当院は、主に性同一性障害専門クリニックとして、GID学会認定医によるgidに関する診断、ホルモン治療、手術、そして、性別変更までのお手伝いをさせていただいています。
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