胸の手術をすると腕が腫れることある、と聞いたことがありますか?
胸オペ手術前のカウンセリングで、FTMの親御さんからの質問に、「手術後に、腕がパンパンに腫れることがあるのか?腕が痛くなることがあるのか?」と質問されます。
FTM当事者からは、質問されたことがほとんどありませんし、実際に、術後に腕が腫れるようなことはありません。
おそらくこのような医療都市伝説は、「乳がんの手術」後に起こりうる症状からの噂になったものと考えられます。
胸オペは、乳がんの手術とは似ていますが、なんの違いから来て腕が腫れてしまうのでしょうか?
(執筆者:自由が丘MCクリニック 院長 大谷伸久)
胸オペと乳がんの手術方法の違い
乳がんの手術と胸オペは、乳房再建の仲間ですが、摘出するもの、または、切除範囲が異なります。
乳がんでは、乳房周囲にがん細胞が転移している可能性もあります。
とくに、脇にあるリンパ節に転移していることがあるために、そのリンパ節を摘出することがあります。
乳がん後の腕が腫れる原因は、リンパ節を切除するため
脇のリンパ節を摘出すると、腕に行くリンパの流れが悪くなるために、腕が腫れてしまいます。
このように、胸の手術をする=腕が腫れる…ということから、胸の手術をすると腕が腫れるのではないか?という心配が生じたのでしょう。
胸オペで摘出するものは、「乳腺組織」のみで、リンパ節を摘出することは一切ありません。
また、大胸筋などの胸の筋肉も切除することはありません。
せっかく、鍛えた大胸筋を切除してしまうといった心配をしている方もたまにいますが、筋肉を切除することもありません。
また、手術後には、腕が挙がらないということはありません。ふつうに挙がります。
ただ、あえて手術直後から、腕を挙げる必要になることはないと思います。
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