性同一性障害(GID)認定医 大谷伸久

トランス男性における乳がんの発生率

現在、トランス男性(FTM)における乳がんの発生率に関する詳細な統計は限られていますが、いくつかの研究によると、ホルモン治療を受けているトランス男性における乳がんの発生率は一般的に低いとされています。
ただし、ホルモン治療を受けていない、あるいはホルモン療法を途中で中止したトランス男性は、乳がんのリスクが高くなる可能性があります。また、遺伝的要因や年齢、乳腺組織の量なども発生率に影響を与えるとされています。

ここでは、胸オペを考えている方々の疑問に答え、手術に向けた準備や術後のケアについて詳しく説明します。

胸オペする前に、乳房のしこりを指摘されている場合

胸オペ(乳房切除)をする前に乳房にしこりがある場合、まずそのしこりを注意深く観察することが大切です。手術前から他の病院で経過観察をしている方もいるでしょう。たいていの場合、乳房のしこりは乳腺内に生じ、良性の乳腺症であることが多いです。

病理検査の適応

胸オペは乳腺全体を摘出する手術であるため、基本的にその「しこり」もいっしょに摘出します。そして、その摘出した乳腺内の「しこり」を病理検査して、悪性の有無を調べることができます。

費用は、健康保険を利用して約8,000円です。明らかに検査する必要ない場合はそのときにお尋ねします。

以下の場合、胸オペと同時に病理検査が行うことをお勧めします。
1. 乳房のしこりを指摘受けているあるいは、気になる「しこり」がある場合
2. 乳がんの家族歴がある場合(例:母や祖母が乳がんの既往)
3. 過去に良性でもしこりが見つかったことがある場合
4. 遺伝的要因やその他のリスク因子が存在する場合

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自由が丘MCクリニック院長の大谷です

当院は、主に性同一性障害専門クリニックとして、GID学会認定医によるgidに関する診断、ホルモン治療、手術、そして、性別変更までのお手伝いをさせていただいています。
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