手術の予定の方からの質問。
気にするFTMのひとも多いです。
質問1
手術の時に、全身麻酔だから、尿管を入れるんですか?
質問2
その尿管は、いつ抜くのですか?
用意する物で、オムツとか必要ですか?
全身麻酔手術を受ける際に尿道カテーテル(尿管)を挿入する理由とその意義について、わかりやすく解説します。手術中の体の状態管理や術後の回復過程において、この処置がどのような役割を果たすのか、具体的に説明します。
手術中に尿カテーテルを入れる3つの理由
1. 体の水分バランス管理のため
全身麻酔中は点滴で大量の輸液が投与され、腎臓から尿が作られます。カテーテルを通じて1時間あたり25-50ml(コップ1/5~1/4杯)の尿量を測定し、適切な水分補給量を調整します。
2. 内臓の安全確保のため
麻酔により膀胱の感覚が麻痺すると、尿が溜まり過ぎて膀胱が破裂する危険性があります。カテーテルで持続的に排尿させることで、このリスクを防ぎます。
3. 手術操作の邪魔を防ぐため
腹部や骨盤内の手術では、尿で膨らんだ膀胱が術野を狭める可能性があります。空の状態を保つことで、医師が安全に手術を行えます。
カテーテル挿入の実際
挿入タイミング:麻酔が効いた後(患者さんが眠っている間)に行われるため、痛みを感じません。
管の太さ:ストローの1/10程度(約5mm)の柔らかいチューブを使用[1]
不快感:術後覚醒時に違和感を感じる方もいますが、多くの場合我慢できる程度です
抜去のタイミングと術後管理
(すべて胸オペの場合を想定しています)
オペ終了後1時間程度ではっきりしてきます。そのときに、抜去されることが多く、抜去後自力排尿可能となります。抜去時は数秒程度の軽い痛みを感じる場合がありますが、看護師が迅速に行います。
胸オペのときには、一般的な抜去とは異なり、早期抜去が可能となります。
よくある心配事Q&A
Q. オムツは必要ですか?*
A. 不要です。カテーテル抜去後も、看護師が排尿状況を確認します。ご自分で排尿できるようになれば、一切オムツを使うことはありません。
Q. 感染症のリスクは?
A. 清潔な環境下で挿入され、5日以内の使用では重大な感染リスクは0.5%以下です。このことから、胸オペの手術時間は3時間弱なので、あまり心配いらないでしょう。
Q. オペ後に自分で排尿できなくなったら?
A. 麻酔の影響で一時的に排尿困難になる場合がありますが、胸オペの手術時間、若年層からするとまずそのようなことは起きません。