性同一性障害(GID)認定医 大谷伸久

胸オペ術後にはアフターケアが必要か?

胸オペも他の術後と同じように手術後には胸の状態を観察します。一般的な手術後のアフターケアと同じです。 ただし、特徴的なこともあるので一般的なことと合わせてご紹介します。

手術後にアフターケアがないところはありません。ただし、海外で手術すると当然ですがアフターケアが受けられません。

例えば、術後の傷のケアです。術後は皮膚を切って縫い合わせる過程が必要になります。

胸オペの場合は、一般的な術式、手術方法であれば、キズは、乳輪の下半周の境界になります。 術後のキズが治るに際して、どのようなトラブルがあるでしょう?

すべてのクリニックで術後のアフターケアはあるの?

いずれも、通常であれば、術後のアフターケアは行った病院あるいは、クリニックでおこなってくれます。追加料金がかかるかは、その医療施設によりますので確認してみましょう。

タイなどの海外で胸オペをされる方もいるかと思いますが、そのような場合は、タイに戻って処置をするわけにはいかないでしょうから、近隣の医療機関で診てもらうしかありません。

その点、海外の術後アフターケアが十分にされないことは不安の1つになるかもしれません。

術後のいろいろなアフターケアの種類にはどんなものがある?

術後のドレーンの管理

アフターケアの1つにドレーンの管理があります。これは、術後に乳房内に血が貯まらないようにするためのものです。

キズの治りが悪い

キズの治りが悪くなる原因には、①感染②縫ったキズが開いてしまう。

このときの胸オペのアフターケアは、①の感染の場合、抗生剤の投与になり、②の場合は、もう1度縫う必要があります。

キズの治りが悪い原因に、患者さんのからだの抵抗が弱いときに起こることも多く、たいていの場合、風邪と同様で身体が疲れているときに起きやすいとも言えます。

胸に、水が溜まった場合

胸オペ手術後によくみられる症状に、いわゆる「水」が貯まることがあります。

水と言っても、これは、浸出液と呼ばれるものです。胸オペ後に「リンパ液が溜まった」と表現する場合もあります。

人間の身体で、炎症などが起こると浸出液が出てくる原理と似ています。

膝に水が貯まったものも浸出液です。 胸オペの場合、うまく安静を取れていないと、胸の内部同士が擦れたりして、炎症を起こすことがあります。 稀なことではありません。

他の例に取ると、乳がん後に乳腺を取り除いたあとにも、「水」が貯まることもあります。

胸オペと同様に手術でなく処置になります。このような場合には、注射して水を抜きます。

胸オペ術後のアフターケアも、きちんとフォローしてくれる医療施設であれば問題ありません。

大学病院は、アフターケアに追加料金あるの?

手術料金にアフターケアの料金が含まれていない場合もあるので、注意が必要です。

大学病院で行う手術は、術後になにかあった場合、その都度料金が発生するようです。

例えば、手術直後に出血してきた・・・などの場合、通常は、アフターケアとして胸オペの手術料金に含まれているとFTM当事者からすれば当然だと思いますが、大学病院などはそのようにはいかないようです。

理由は、おかしな話ですが、その都度手術室を使用しないとけない、麻酔科医がその都度必要になるなど費用が発生するからです。

胸オペのアフターケアと言っても、このような医療機関側の事情で金銭トラブルもあります。

【関連サイト】
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自由が丘MCクリニック院長の大谷です

当院は、主に性同一性障害専門クリニックとして、GID学会認定医によるgidに関する診断、ホルモン治療、手術、そして、性別変更までのお手伝いをさせていただいています。
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