胸オペ前に筋トレした方がよいのだろうか?

胸オペ前に、大胸筋を鍛えた方がよいとか鍛えない方がよいとか聞いたのですが…

ブログなどでは、いろいろなことが書いてあるよね。でも、医学的にはどちらがよいというのはないかな。今まで胸オペを多くしてきたけど、手術の結果には影響ないですよ。ただし、手術前後に皮膚のたるみが出そうなひとは、ある程度鍛えた方がよいかもしれません。
男性であれば、かっこいい胸板は憧れるものです。

人前で、Tシャツを脱げれば…。
ぼくにはできませんが…。
さて、「胸オペ前に筋トレした方がいいか?」という質問がよくあります。結論から言うと、胸オペ前の筋トレをするしないは、術後の仕上がりにあまり関係ありません。
もちろん、手術までにまだまだ時間があるから、胸オペ前に胸筋を鍛えようとしてもよいですし、胸オペが終わってからじっくり筋トレもよいと思います。
ただ、術後に少し皮膚のたるみが出てしまったひとは、大胸筋を鍛えることにより大胸筋が少し膨らむのと皮膚の伸縮にも良い結果をもたらすことが多いです。
術後に少したるみを生じてしまったひとは、頑張って上半身を鍛えましょう。
胸オペ前に大胸筋を鍛えない方がよいとブログ記事などで書いている人は、もしかして、鍛えた筋肉がなくなるからだと思っているひともいるからかもしれません。
手術のときには、筋肉を切除することは一切ないので、安心してください。
大胸筋を鍛えると、胸が大きくなってしまうのではないか?

では、胸オペ前に大胸筋を鍛えると胸が大きくなるって、噂もあるけど?普通の女性の科には、おっぱいを大きくするために、大胸筋を鍛えている女性もいるみたいだけど…

大胸筋を鍛えても、胸が大きくなることはないですね。ふつうの女性が行う目的は、垂れないようにバストアップのためだね。胸が垂れないようにするには、大胸筋を鍛えることはいいことかもしれないね。
一般女性が良く大胸筋を鍛えることがありますが、あれはおっぱいが弛まないようにするためで、主にバストアップのためです。
大胸筋を鍛えても、乳腺が大きくなり、逆に大きくなってしまうこともないので、ご安心を。
胸オペと胸筋の関係は、どうなっている?
では、何で関係ないのでしょうか?それは、乳房の解剖を理解するとわかります。
胸、乳房の構造は、体幹から大胸筋→乳腺組織→皮膚という順になっています。
そのため、摘出したい乳腺組織は、大胸筋の上にありますので、筋肉を切って、手術中に操作することもありません。
そのため、胸の筋肉は関係ないのです。
青の点線で囲んだ乳腺を取り除きます。
手術後に腕が動かないのは、胸筋のせいでは?
よく胸オペ後に腕が動かないのでは?と想像されている方も多いようですが、おそらく、これは、術後の痛みによるもので、胸オペでの胸筋が損傷したためではありません。
手術前に、胸筋(大胸筋)がかなり鍛えられているひともいます。
特に、仕事関係で、上半身を使う仕事をしている方です。
このようなFTMの方は、手術前に必然的にも、自発的にも、胸筋が鍛えられていれば、それなりに、胸オペ後に乳腺組織を取り除くと、鍛えた証を外見的に認められますので、胸オペ後の楽しみでもありましょう。
ただ、いくら胸オペ前後に筋トレしても、女性の生物学的な特徴としての脇についている膨らみは残念なことになくなることはありませんし、胸オペ後も残ってしまいます。
胸オペ後にこの脇についている「肉」は、乳房ではないので取れないのです。