性同一性障害(GID)認定医 大谷伸久

胸オペの病院選び

胸オペを国内の病院を選択するひとも多いかと思います。

でも、どうやって決めればよいでしょうか?

FTMの場合は、友達、知り合いなどがすでに手術している場合は、安心感もあり手っ取り早いかもしれません。

最近では、クチコミも有効ですが、一生に1度のことだし、やはり、自分の目で確かめることは大切です。

まずは、直接病院に足を運ぶ。遠方であれば仕方ないですが、できるだけ行けるのなら直接行って医者の話を直接聞くのが一番です。

そのため、どんな医者が手術してくれるのかも大切なポイントになってきます。友達は、いい先生だなんて言ってたけど、自分的にはイマイチだななんてこともあるかもしれません。自分に合う合わないも当然です。

自分が患者さんの立場であれば、やはり「自分の身になって考えてくれそうなひとかどうか」、面倒臭がらずにやってくれそうなひとを選びますかね。

医者によくいそうな、「やってやるんだから」、なんて一方的なのは論外でしょう。

胸オペを国内で行うメリットとデメリット

海外で行う手術と比べると・・・

メリット

  • 会社勤めのひとは、長期の休みを取らなくてもよい。
  • 当たり前ですが、日本語で説明してくれる。手術の説明、合併症、リスクなど十分に説明してもらえることは大事です。
  • 日本語でもある複雑な説明を受けても100%伝わらないのに、外国語での通訳を介した説明では、手術の内容を理解するのはかなり難しいことです。

デメリット

  • 医者の研修施設である大学病院や大きい病院だと実際に誰が手術するかわからない
  • 現在のコロナウイルス感染の2020年世界情勢をみると、海外で手術を行うのは危険が伴う

国内は技術が劣る?

胸オペは、乳腺を摘出する手術で、国内でも乳房再建として以前から行われているので、技術的に劣ることはありません。

ただ、少し違う点は、乳房を小さくするのではなく、真っ平にすることを目的とするので、技術的には少し難しくなります。

そして、胸オペは、国内で行う医療機関が少ないのと、乳輪半周切開(U字切開)というかなり小さい傷から乳腺を摘出することができる日本の医者はまだ少ないです。

医者の立場から思う病院選びの本音

同じ手術であれば、日本で行った方が安全ですし、日本語で十分に手術の説明もできて、最後まで責任もって手術することができます。

手術する前に、直接医者と会ったこともなければ、話したこともないというのは、やはり少し不安が残ります。

手術前に疑問点や不安なことを解消し、失敗などがあってもよいと納得していれば、海外でもいいと思います。

乳輪の下半周を切る手術でも適応がありそうなひとでも、大きい傷の方法を勧められる場合があります。

アテンドさんとは何回かやりとりして、自分の胸は傷が小さく済む方法だと説明されるかもしれません。

でもよく考えると(よく考えなくても?)、アテンドは医師ではありませんし、タイで手術する先生は、写真で見たかもしれませんが、実際に、当日初めて胸を見るわけです。

手術の説明を含め、100%その医師に希望を伝えられるわけではありません。

日本人同士の会話でも、100%理解できるわけではないですよね?

通訳を介して話すと言うことは、医師からの説明にギャップが生まれます。

国内で行う治療費

手術費用と麻酔代が別々の表示をしている医療機関がありますが、なぜ別々に表示するのか?

手術大を安く見せるか、または、手術が終わってから麻酔薬が多く使ったとかで、追加料金を取るためか?そんな話を聞いたことがあります。

ある美容外科の手術ではよくある話で、施術費用を別々に料金を表示すれば、あとであれこれ費用がかかったと言えますからね。

このような趣旨がなければ、表示を分ける必要はまったくないわけで、すべてまとめた治療代を表示すべきです。

まとめ

胸オペを受ける病院選びの際には、重要なことは、手術を今までにどれだけしてきたか?まさか「あなたが初めてです」はちょっと避けたいところ。

次にその医者は信頼できそうか?誠意がありそうか?最終的にこの医者だったら任せられるか?など手術以外の第六感的な要素も大切なことかもしれません。

FTM当事者にとって、胸オペは1回きりの手術になりますので、よく考えて決めてください。

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自由が丘MCクリニック院長の大谷です

当院は、主に性同一性障害専門クリニックとして、GID学会認定医によるgidに関する診断、ホルモン治療、手術、そして、性別変更までのお手伝いをさせていただいています。
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