性同一性障害(GID)認定医 大谷伸久

胸オペする前に、ナベシャツで胸をつぶすように小さく見せるようにしているひとは多いですよね。

FTMにとっては、必須アイテムです。男性的な身体を表現するために、ナベシャツをしなければいけないかもしれません。

早く、なべシャツ卒業するため、胸オペをしたいひとも多くいることでしょう。

なべシャツは、オペにどのような影響があるのでしょうか?

また、ナベシャツの健康への影響を直接評価する研究はありませんが、トランスジェンダーのコミュニティーでは、一般的に圧迫の痛みや皮膚症状などの症状について話されていることがあります。
(執筆者:自由が丘MCクリニック 院長 大谷伸久)

FTMが使う胸小さくみせるナベシャツとは?

なべシャツは、胸を抑える、または胸をつぶすグッズです。

ナベシャツのメリット

FTMにとって、胸のふくらみは、嫌で仕方ないところで本当に苦痛です。

もともと小さければ気にならないかもしれませんが、Cカップ以上になってくると、なべシャツを着ないとなかなか胸のふくらみを隠せなくなります。

FTM当事者の感想としては、「他人とのスキンシップを避けづらい環境」、「部活に所属して、周りの目がきになったり」、「海に行きたいが行けない」、「乳を押さえて歩いたり走ったりしたくなかったから」などなど。

日常生活では、いろいろと支障が出てきます。

とりあえず、なべシャツ着て、胸をつぶすことだけでも、精神的にもかなり楽になります。

夏には、Tシャツ着れるし、男っぽくなれるというなべシャツはFTMにとって必須アイテムです。

ナベシャツのデメリット

胸がつぶして、平らにするだけでも、精神的には楽になるのですが、なべシャツは、さらしと同じように、デメリットがあります。

  • かなりきつい
  • 常に苦しい
  • 夏は汗だくになる
  • Tシャツの重ね着など大変

胸オペに不利なこと

ナベシャツは不快であるだけでなく、乳房組織および皮膚の永久的な変形にもつながります。特に大きいひとだと、なべシャツを着ている期間が長くなればなるほど、胸が垂れてくることです。下垂してしまいます。

胸は、なにもしなくても年齢を重ねるごとに皮膚の弾力性がなくなり、たるみを生じて、乳房が下垂します。

なべシャツを着ていれば、より皮膚はたるんでしまい、乳房の下垂に拍車をかけてしまうのです。

なべシャツが胸オペの時のデメリットに?

いつかは!もしくは!早くに胸オペしたひともいるかと思いますが、ナベシャツ自体がデメリットになってしまいます。

それは、オペをするときの良い条件というのがあります。
・胸が小さい
・皮膚に弾力性がある
・下垂していない

ナベシャツを卒業したいときに行う胸オペですが、もしかしてオペをするときに乳房が垂れていると、一番小さいキズで行う方法を選択できなる可能性も生じます。

胸オペと言っても、胸の下垂状態によっては何種類かの手術方法があります。
FTMの胸オペの手術方法

胸が大きい小さいはあまり影響がなく(もちろん大きくなるにつれ、下垂してしまうのですが若いうちは大丈夫なことも)、皮膚の弾力性があり、下垂していないことがとても重要になります。

最小限のキズで胸オペ希望するときのなべシャツの付け方?

とは言っても、胸が大きいひとに、なべシャツを着るなというのは、なかなか難しいところです。

できるだけオペのときに、少しでも下垂していない状態でいる対処法としては、

なべシャツをまず着る。
胸のふくらみを上の方に寄せてつぶす。

なべシャツを着て、常に下方でつぶすのではなく、できるだけわからないように気持ち上の方でつぶす。

それほど大きくなければ、胸筋がついている男性に見えるかもしれません。

オペがまだ予定が立っていないFTMの方は、なべシャツの付け方も少し工夫してみるとよいでしょう。

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自由が丘MCクリニック院長の大谷です

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