性同一性障害(GID)認定医 大谷伸久

現在男性ホルモンは、日本国内で使うことができるのは、従来の短期型男性ホルモン、エナルモンデポー、テストロンデポー、テスチノンデポーがあります。その他長期型男性ホルモン、クリームは、グローミンがあります。

45人のFTMをそれぞれ短期型男性ホルモン15人(100 mg/10日 )、テストステロンクリーム15人、長期型男性ホルモン15人ランダムに分けて治療しているひとを、次のように評価しました。治療前後、30、54週間後に血液検査で評価。

3つの異なるタイプの男性ホルモン(テストステロン)でそれぞれで治療した結果、身体がどのように変化していくか、筋肉注射用男性ホルモン2種、パッチの3つの異なるタイプで治療し、FTMの体重、その他の血液データ、骨の評価をしました。

結果は、体重は全体的に増加傾向で、脂肪の割合は意外にもすべてのグループで減少しました。

多血症の指標になるヘマトクリットは、短期型男性ホルモンでは、上昇傾向にありましたが、長期型男性ホルモンではそれほど増加傾向にありませんでした。

結果:
3グループすべて、以前からの報告と同様に、体重自体は明らかに増加し、脂肪の割合はすべてのグループで減少しました。

コレステロールを詳しくみると、善玉コレステロール(HDL)は減り、悪玉コレステロール(LDL)の増加が認められました。男性ホルモン治療1年経過時点では、すべてのFTMは日常生活に満足しています。

部分トロンボプラスティン、ファクターⅠには変化がなく、プロトロンビン時間はすべてのグループで延長が認められた。男性ホルモン治療1年経過時点では、すべてのFTMは日常生活に満足している。

FTMに対して男性ホルモン治療した1年後のデータは、3グループともに安全性に問題はありませんでした。

ちなみ、多血の指標になるHt(ヘマトクリット)が55超えると、容量を減らすか、注射する間隔を伸ばした方がよいです。

結論
FTMに対して男性ホルモン治療した1年後のデータは安全性に問題がありませんでした。また、3種の違う男性ホルモンともにデータの違いはありませんでした。今回の研究は、1年という短期間であり、今後長期のデータも得る必要があります。

Effects of intramuscular testosterone on body composition and bone mineral density in female-to-male transsexuals.
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自由が丘MCクリニック院長の大谷です

当院は、主に性同一性障害専門クリニックとして、GID学会認定医によるgidに関する診断、ホルモン治療、手術、そして、性別変更までのお手伝いをさせていただいています。
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