戸籍変更(性別変更)の申立・認容件数の動向(2004年~2024年)

目次

1.性別の取扱いの変更の申立件数(新受)と認容件数

まずは視覚的に把握できるよう、2004年~2024年の「性別の取扱いの変更の申立件数(新受)と認容件数」の推移をグラフと表にまとめました。

年度申立人数認容数
2004130101
2005243241
2006257263
2007284281
2008440429
2009466463
2010537540
2011639618
2012742753
2013786780
2014831828
2015877867
2016902903
2017924916
2018860878
2019953959
2020684688
2021750744
2022912904
2023934894
20241,3941,293

2. データからわかるポイント

  • 制度施行直後から利用増加:2004年は施行初年(半年分統計)ながら申立130件、認容101件と早期から制度効果が見られました。
  • 年々増加傾向:2019年には申立953件、認容959件に到達し、制度が社会に定着していることがわかります。
  • コロナ禍による影響:2020年は約30%減少しましたが、2021年以降は回復傾向。
  • 過去最高の申立件数:2024年には新受1,394件、認容1,293件と過去最多を記録。制度がより広く浸透していることが示されます。
  • 最高裁判決の影響:令和5年(2023年)10月25日の最高裁判決により、「生殖不能要件」が違憲判断され、今後の申請件数や制度運用に影響する可能性があります。

3. 最高裁判決(2023年10月25日)の意義

  • 生殖不能要件の違憲判決:戸籍変更条件として身体的手術を強いることは憲法13条に反すると全員一致で判断。
  • 手術強制の合理性が薄れる:社会的理解や医学的知見の変化を考慮し、現状の手術要件は過剰な制約と評価されました。

4. 未解決・今後の課題

  • 外観要件の判断は差し戻し:性器の外観に関する規定については最高裁が判断を留保。個別意見では違憲とする裁判官も複数。
  • 未成年の子なし要件も課題:法改正議論や社会的対話の継続が必要とされています。

5. 社会的・医学的背景

  • 過去の手術強制の合理性は減少。
  • 特例法施行から2023年までの性別変更者は累計約12,000人規模。
  • 医療体制の整備や当事者の選択肢確保も重要。

6. 制度・手続きへの影響

  • 手術なしで戸籍上の性別変更が可能なケースが増加する見込み。
  • 申請件数や制度運用への影響は今後注視が必要。
  • 手術を希望する当事者への医療対応も引き続き重要。

7. 最新データと今後の展望

  • 2025年以降の統計は未公表。
  • 最高裁判決の影響は今後数年の動向で評価されるでしょう。
  • 急増傾向は一時的の可能性もあり、中長期の推移に注目する必要があります。

情報源は、すべて裁判所公式ページからのデータです。

裁判所公式(司法統計年報(家事編)、令和6年最新版)

※オンライン診療するにあたり厚生労働省の研修プログラムを受けています。

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このコラムを書いた人

性別不合(GI) 学会認定医/大谷伸久のアバター 性別不合(GI) 学会認定医/大谷伸久 自由が丘MCクリニック 院長

平成6年北里大学医学部卒業(医籍登録362489号)
国立国際医療センター、北里大学病院、順天堂大学医学部研究員などを経て、平成20年:自由が丘MCクリニック開業

当院は、主に性別不合(GI)専門クリニックとして、性別不合(GI)学会認定医による性別違和に関する診断、ホルモン治療、手術、そして、性別変更までのお手伝いをさせていただいています。

ホルモン治療、手術についてわからないことなどありましたら、気軽にLINE、またはメールからお問い合わせください。

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