麻酔科を標榜している医療施設(麻酔科標榜医7903号) です
当クリニックは、厚生労働省から「麻酔科」の診療の許可を受けた医療施設(麻酔科標榜医7903号) です。
1.胸オペに使われる麻酔方法
胸オペの麻酔方法の選択には、全身麻酔、硬膜外麻酔、静脈麻酔があります。どの麻酔方法を選択しても手術中には寝て行います。
当院ではすべての麻酔方法が選択可能です。
胸オペに一番合った麻酔方法、とくに術後に痛みがもっとも少ない方法をお勧めしています。手術中だけ痛みを取る方法はいくらでもあります。問題は、術後の痛みです。術後の疼痛管理を多く経験してきた麻酔科認定医でもありますので、できるだけ、術後の苦痛を軽減する麻酔方法で行います。
1)全身麻酔
ガス麻酔や点滴で筋弛緩剤(筋肉の働きを止める作用)を使います。自分で呼吸することができなくなるため、人工呼吸器を使用します。そのため、気管支にチューブを挿入して、呼吸管理をします。
●全身麻酔の補助的麻酔
2)硬膜外麻酔(こうまくがいますい)
脊髄(せきずい)をとりかこんでいる膜(硬膜(こうまく))の外側(硬膜外腔(こうまくがいくう))に麻酔薬(ますいやく)を注射して麻酔する方法です。
麻酔が効くと胸の範囲だけ帯状に麻酔がかかります。
静脈麻酔と併用することにより、手術中も痛みがなく、まったく意識のない麻酔方法です。
特に、硬膜外麻酔は全身麻酔より術後の身体の負担が少なく、術後の痛みも全身麻酔より少ないです。
3)静脈麻酔
点滴を腕からして、そこから眠るための麻酔薬を注入していきます。
この麻酔によって、手術中は起こしても起きないくらいの深さで寝ることができます。
比較的大きい手術では、この麻酔だけでは痛み自体は取ることができません。上記の1あるいは2と組み合わせる必要があります。
各々の利点と欠点
・全身麻酔は、身体のすべてに麻酔を効かせるため、身体の負担が大きくなります。術後に吐き気、術後の痛みなどの欠点があります。
・硬膜外麻酔は技術的に難しく、麻酔科を専門に数年研修していないと無理なので、行う人が絶対的に少ないのが欠点です。
この麻酔があまり得意でない医師は、デメリットばかり強調することが多いようです。メリットは多く、もちろん、麻酔科では日常茶飯事の麻酔方法です。
2.実際の麻酔の手順
手術をするためには、必ず麻酔をしないとできません。麻酔は、怖いものではありませんので、リラックスして臨みましょう。
手術・麻酔の大まかな手順は、次の通りです。
1)術前は来院8時間前より絶飲食とします(必ず守ってください)。水分は来院1時間前まで可能とします。特に固形物を手術直前に摂ってしまうと手術ができませんので、注意してください。(手術延期になることがあります)
2)手術台の上で血圧計、体の酸素を測るクリップなど装着します。
原則として手術台の上では、パンツ1枚となりますが、手術に必要なところ以外は温かい布で覆います。
こちらからも声を掛けますが、術前・術後、寒い場合は教えて下さい。当院の手術台は、医療用テンピュールを使っています。
(イラスト:日本麻酔学会HPより)
3)麻酔・手術中に必要な点滴を腕または手に行います。
点滴後、リラックスする薬を注射します(点滴から入れるので痛くはありません)。注入後、ボーっとしてきます。この時点から記憶がほとんどなくなる方もいます。
また、緊張をほぐすための薬だけでなく、患者さんがリクエストしていただいた好きな音楽も提供します。意外に好評!?です。
4)硬膜外麻酔が予定されている方は、横向きで背中を丸くしていただきます。背中に痛み止めの注射をしてから行います。
5)酸素マスクを口元に当てます。酸素が流れてくるだけですから、ふつうに息をしていて下さい。麻酔の確認後、点滴から眠る薬を入れ寝ていただきます。緊張が強い場合は、ゆっくりと深呼吸するとよいでしょう。
6)手術が終わると麻酔から覚めますが、麻酔によってからだの一部にしびれが残っていることがあります。徐々に回復しますので心配ありません。(翌日には消失)
7)手術の後、しばらく酸素を吸って頂きます。術後にマスクをしているのは、億劫ですが、体の回復のためによいことですから協力して下さい。
8)手術後しばらく様子をみた後、帰宅することになります。目が覚めてから1~2時間で帰宅できます。
どんな手術、麻酔であっても、患者さんの病状、合併症などによって、また一見健康そうな方においても、予測できない色々偶然に起きる合併症が発生することがあります。
そのためにあらゆる異常事態に対処できるよう、万全を尽くして患者さんの安全を守るための最善の努力を致します。
手術だけでなく、麻酔に関しても疑問点があれば、何でも相談して下さい。
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