胸オペと健康保険の適応

胸オペは、健康保険が使えません。性同一性障害gidの診断までは健康保険の適応があるのですが、身体的治療に関しては健康保険制度が使えません。

日本は、国民皆保険制度があります。 これは、病気やケガをしたときなどに、医療給付や手当などを給付して、生活をさせることを目的とした社会保険制度です。

通常、医療機関では、病気、ケガでは保険診療を受けることができます。保険診療で行う処置、手術には、すべて保険点数(1点=10円)にもとずいて診療を行います。

いぼ、にきび、あざ、わきがなどの日常生活に支障のないもの、近視、遠視などの回復の見込みのないもの、正常な妊娠および出産、二重まぶた、隆鼻術などの美容のための美容整形手術は、保険診療を受けることができません。

性同一性障害gidの診断は、現在病気として考えられているので、診断に至るまでの診察などは、保険診療で行うことができます。 現在、世界の流れとしては、性同一性障害gid、性別違和は「病気」としてとらえない傾向にありますが…。

胸オペは、現在厚生労働省の考えとして、社会的通念上、身体に支障がないため、治療の必要がないと考えているのでしょう。 通常の手術というものは、悪い組織を切除することで、障害されていた機能を回復させたり、身体を改善させる目的で行われています。

性同一性障害gid、性別違和の治療としての胸オペを含む手術がこうした条件に当てはまらないという理由もあるのでしょう。 このため、健康保険診療ではなく、保険診療ではなく、自由診療で治療するとことになります。

自由診療は、自由に診療するという意味ではありません。 正確には、その治療に対しては、医療機関が自由に処置、手術に対して治療価格を設定するという意味になります。

自由診療では、処置、手術の費用が医療機関によって各々異なるのはこのためです。 胸オペを含めた性同一性障害gidの身体的治療に際し、今後、保険適用ができるように、性同一性障害gid学会などが厚生労働省に働きかけています。