性同一性障害(GID)認定医 大谷伸久

胸オペの麻酔を受ける人のために

当院が行う診療の特徴は、院長である私が形成外科医であり、かつ麻酔科の認定医を持ち、麻酔科を名乗ることが許可されていることです。
麻酔科許可書

クリニックが標榜科目である「麻酔科」を名乗るのには、内科、外科などと違い、一定の資格が必要とされ、厚生労働省から許可されなければいけません。

当院が行うGID手術には、FTMの胸オペ、MTFの豊胸などを麻酔診療を胸オペにも最大限に活かします。

医師になってから全身麻酔は3000件以上、胸オペは、開院以来、胸オペは約1300件行っています(平成29年12月現在)。

今までも、安全な麻酔を提供してきました。

今までの経験も生かし、今後もよりいっそう安全な麻酔方法を選択します。

ご希望があればお知らせください。

Q 胸オペは、麻酔科が併設している施設がよいですか?

A 「性同一性障害ガイドライン」にも記載がある通り、胸オペ手術する医療機関は、一定の水準に達成している医療施設を推奨しています。

これは、麻酔に熟知していることを意味し、手術にはどんな急変時にも確実かつ質の高い対応が求められています。

この点、当院の診療に、麻酔科が常に併設されていることは二重にも三重にも安全といった意味で、FTM当事者にとっても大変有意義なことだ思います。

Q 日帰りで胸オペできますか?

A 当院の胸オペの特徴は、安全な日帰り手術が可能なことです。

麻酔科標榜するクリニックですので、標榜しない医療施設よりも麻酔にも熟知し、より安全に臨むことができます。

Q 胸オペする麻酔にはどのような方法があるのですか?

A 大きく分けて、3つあります。

  • 全身麻酔

全身麻酔は吸入ガスと薬を組み合わせて眠らせる方法です。

注射の薬は点滴から、吸入ガスは口に当てたマスクあるいは口からのどに入れた管を通して肺へ麻酔ガスと酸素を送ります。

手術中の記憶はなく、手術の途中で麻酔が覚めることもありません。
全身麻酔器

  • 半身麻酔

半身には、多くの方法がありますが、胸オペは硬膜外(こうまくがい)と全身麻酔と併用して行います。

全身麻酔単独のみより硬膜外麻酔を併用した方が、術後の痛みは少ないです。

背骨のすき間から特殊な針でくすりで効かせる方法です。

  • 局所麻酔

当院では、局所麻酔のみの胸オペ手術は行っていません。

胸オペを含む胸部のオペを行うのには、痛みが強すぎて、数時間も我慢できず、安全に手術することができないからです。

Q  胸オペの麻酔は安全ですか?

A 当院は、「麻酔科」標榜が厚生労働省から許可されています。

全身麻酔の症例も3000件以上を経験しています。

麻酔は胸オペを受けるため欠かせない処置で、ヒトの体の働きに大きな影響を与えます。

絶対安全とは言い切れませんが、当院では、いつも100%安全を目指して努力しています。

現在使用されている麻酔の薬は安全性の高いものが多く、医療機器の性能も向上していますので、以前に比べると安全になっています。

そのため、手術前に周到な準備をし、全身状態をモニタリングし、必要な薬と機器を備えて臨んでいます。

麻酔科を標榜するクリニックだからこそ、より安全に臨むことができるのです。

Q 手術室に入ってから何をしますか?

A 手術室に入るまでは意識がはっきりしています。

最初に、血圧や心電図、体内の酸素状態を測るクリップなどをからだに付けます。

次に点滴の注射をし、点滴からクスリを入れるとすぐに効いてきて、何もわからなくなります。

A 麻酔が効いてからは何をしますか?

Q 全身麻酔は、自力では呼吸ができないので、意識がなくなってから、喉に人工呼吸用の管を入れます。

腎臓のはたらきを知るために、オペ中の尿量を測ります。そのため尿道にチューブを入れ、手術後に抜去します。

オペ中は、しっかりモニタリングして、何か変化があった場合には、適切な処置をします。

A  胸オペの麻酔法による術後の痛みは?

Q 手術後の痛みの感じ方には個人差が大きく、

  • 全身麻酔単独では、早い人では覚めた時から胸に痛みを感じますが、硬膜外を併用した場合には、手術後にもあまり痛みは感じません。
    現在では、複数の方法を組み合わせるのが最近の方法です
  • 全身麻酔後の数日間は、人工呼吸の影響で、のどに違和感があったり、少し声がかれることがあります
  • 硬膜外を併用すると、術後の痛みが少なくて済みます。硬膜外は、高度の技術を必要とし、麻酔に熟知した医師でないとできないため、併用しないことも多いようです

A  硬膜外麻酔だけで行うの?

硬膜外麻酔だけでは行いません。

単独の全身麻酔の欠点を補います。

手術後痛みを全身麻酔だけで行うより、数段痛みなく過ごせる利点があります

また、全身麻酔単独で行うより、麻酔薬の量を減らせるため、術後の身体の負担が少なることです。

ただ、硬膜外ブロックの手技を習得していない外科医はできませんし、この麻酔をあえて勧めてきません。

このような外科医は、あえてデメリットばかり強調しますが、麻酔科では、体の負担を減らすため、よく行われる麻酔方法です。

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自由が丘MCクリニック院長の大谷です

当院は、主に性同一性障害専門クリニックとして、GID学会認定医によるgidに関する診断、ホルモン治療、手術、そして、性別変更までのお手伝いをさせていただいています。
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