性同一性障害(GID)認定医 大谷伸久

胸オペするまでの流れ

胸オペを希望された方の手術までの流れを説明します。

手術を決めてからの来院

1. 胸オペをすると決めたとき

1)性同一性障害の診断書の有無
・お持ちの方は、初診時に持参してください。
・お持ちでない場合、とくに胸オペ以外考えていない方はなくてもかまいません。当クリニックで診断いたします。

男性ホルモン治療をその後に希望する場合は、必要になります。

性同一性障害のガイドライン上では、診断書があるのが望ましいとされていますが、一般的な乳房再建術の一環として行うという考え方もあります。その後のホルモン治療、性別変更時にも影響せず、何かしらの不利益を生じることは一切ありません。

2)現在までにわかっているデメリット
・乳腺摘出すると元には戻せませんが、生殖器官ではないので、その後の身体への影響がありません。
・オペをして後悔する方はほぼいません。海外の統計上は、胸オペ(乳腺切除に関してはほぼ後悔するひとはいません。
・診断書がないと一切胸オペができないとなると、FTXのひとはオペができなくなってしまいますので、心配ありません。
性同一性障害の診断までの流れ

1.来院可能な方(都内近郊)

来院する場合の持ち物:診断書または意見書、医師からの紹介状がなくても大丈夫です。

診断書がない場合には、保険証をご持参ください。当クリニックで診断いたします。

胸オペの相談日
医師が手術の内容の確認や手術法について説明します。
・診察をして、手術の詳しい説明、手術方法などをお伝えします。
・予定が決まっている方は、手術日を決めていただいても大丈夫です。

診断書がなくご希望の場合は、当クリニックで診断いたします。

ただし、手術後に診断書を取得した場合には、後日に加入している生命保険の手術費の一部負担は受けれません。(診断日と手術日が逆になるので)

すでに胸オペを決めている方
・血液検査(採血)
・内服薬の確認
毎日服用されているお薬があるようでしたら、その名前を教えてください。 

2.遠方の方で来院が困難な方

ご都合がよい日に一度来ていただければ、手術の説明や方法などを詳しくお話しますが、来院する時間が取れない場合は、まずは、こちらから資料をお送り致します。

手術までに来院されない場合は、すべてメールで質問、疑問点などをやり取りし、胸の写真も送っていただき、手術方法をお伝えします。

届いた資料を読んでいただき、医師と直接相談も対応しています。

来院できない方は、いろいろ不安も多いかと思いますので、ぜひ不安解消のためにも、オンラインでの診療をお勧めします。
下記のすべての対応をしていますので、ご希望の方法で行います。

・電話
・メール
・LINE(下記バナーから登録してください)
オンラインでの対応は、zoom、スカイプを利用できます。
日時は、あらためて決めていきます。

〇メールにて、名前、住所、電話番号、生年月日、診断書の有無をお知らせください。
⇒手術に関する詳しい説明の書類を送付させていただきます。(資料に詳しい説明もあります)

〇手術方法を決めますので、写メで胸の状態をメールで送っていただきます。

〇手術日が決まりましたら、電話での予約をお願いします。

手術前の血液検査が必要ですので、近隣のクリニックなどで検査してもらえるところを探してください。

検査項目などは、送る書類と同封しますので、担当医に渡してください。

検査結果がでたら、メールclinic☆dr-otani.com(☆→@)に添付もしくは、FAX03-3717-3511まで送ってください。

胸オペを受ける遠方の方

未成年の方

親権者の手術承諾書が必要になります。
親権者の手術承諾書をダウンロードする

医療ローンをご希望の方

お支払方法には3種類あり、いずれかを選択していただきます。
①現金の場合:当日受付にてお支払ください
②振り込みの場合:手術前日までに振り込みをお願いします
③ローンの場合:事前の医療クレジットの申し込みとなります。
※未成年の方は、親が保証人となります。
*信販会社の審査がありますので、詳しくはメールかお電話でお問合せください*
胸オペしたいとき医療ローンを利用できる?

生命保険の一部負担金について

生命保険会社によりますが、最近のケースではほとんど下りるようです。 ただし、胸オペをする前には、必ずGID性同一性障害の診断名がついた診断書を用意しなくてはいけません。

手術後に、診断をしてもらっても、保険は下りませんので注意してください。 詳しくは、生命保険の担当者に問い合わせてみてください。
胸オペで生命保険おりる?

2. 手術方法の決定、確認

手術方法の違いにより費用が異なります。診察時を含めて、ご本人が希望する方法などを伺いながら、本人と納得いくまでお話をさせていただき決定させていただきます。
胸オペの手術方法

3. 手術の決定から当日まで

胸オペは、日帰り手術

日帰り手術は、手術や麻酔の方法も、入院手術と同様に行われます。当院での胸オペは日帰り手術で行っています。
胸オペはその日に帰れるの?日帰り手術について

仕事を休む期間、手術のダウンタイムについて

からだをよく動かす仕事に就いている方は、基本的に抜糸するまでの1週間お休みが望ましいです。デスクワークの方は、3,4日でも大丈夫な場合もあります。

宿泊について

1)都内近郊在住
手術日に近隣のホテルに1泊するのがよいです。クリニックからはタクシーで30分以内の方はそのまま自宅へ帰宅します。タクシーは、こちらで手配します。

2)遠方の方
できるだけ2泊以上が望ましいです。飛行機でお越しの方は、ドレーンを抜いた翌日以降に帰宅できるようチケット、宿泊を手配してください。

その他必要書類について

手術証明書、休業証明書、会社などに提出する書類(手術での休む期間を記載したものなど)なども作成します。

ある病気で通院している方

ほとんどが当院でも対処できますが、その他の病気のことは、カウンセリングのときにお話を伺いします。

4. 手術前の生活について

1)禁煙、禁酒

手術前一週間と抜糸まで(約一週間)はお酒とタバコは控えてください。
飲酒:術後の血行が良くなるため出血のリスクがあります。
タバコ:タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させる作用があります。

また、小さな血管の血流障害により傷の治りを悪くなるリスクがありますので、術後の経過に影響が出る可能性があります。

胸オペ前にできるなら8週間前に禁煙するのが望ましいです。
アイコスIQOSもニコチンを含みますので、紙タバコと同じ作用があり、影響もあると考えてください。

2)食事について

イボ、ほくろを取るような小手術の麻酔ならまったく問題はありませんが、胸オペ(乳腺切除、乳腺摘出)は手術時間が長くかかり、手術中に意識がない麻酔方法で行うためには、全身麻酔、静脈麻酔をしないといけません。

胸オペの麻酔は、全身の筋肉がゆるくなりますので、胃の入口を開閉している筋肉もゆるみます。その内容物が逆流し、気管支を詰まらせることがあるので危険だからです。

手術当日の朝は、絶対固形物を食べてはいけません。食べてきた場合は、手術は延期になる場合があります。

手術2時間前までは、次のものを自由にとってかまいません。

  • お水、お茶、紅茶、スポーツ飲料(牛乳などの乳製品は×)
  • 透明なジュース(果汁や果実の入ったものは×)
  • 氷砂糖、あめ玉(ゴマや豆類の入っていないもの)

3)現在、男性ホルモン治療している場合

男性ホルモン125㎎投与中の方は胸オペの2週間前、250㎎投与中の方は3週間前を最後の注射にしてください。

ネビドで治療されている方は、最後の注射より3か月空けてください。

男性ホルモン自身は、血液をドロドロにさせる作用を持っているために、直前に注射すると血流が悪くなることがあるからです。

ただし、厳密にはあまり関係がないという海外の報告もありますが、当クリニックでは、一応念のための一時中止しています。

なお、術後1週間目の抜糸の日から、再び男性ホルモン注射が可能になります。

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自由が丘MCクリニック院長の大谷です

当院は、主に性同一性障害専門クリニックとして、GID学会認定医によるgidに関する診断、ホルモン治療、手術、そして、性別変更までのお手伝いをさせていただいています。
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