FTMも乳がんの可能性が?

胸オペで、「乳腺を取っているはずなのに、なんで乳がんになるんだ?」

確かにそのような質問が出そうですが、乳腺切除・摘出後はしているものの、乳首、乳輪とその皮下直下の乳房組織を残しているので、乳がんのリスクがまったくなくなるわけではないのです。

このように、FTMであろうと、一般女性であろうと、乳房手術において、乳首、乳輪を含む部分を完全に取り除くことはありません。

乳がんの発症率

胸オペすることは、FTMのひとたちにとって、身体の胸の男性化の1つであり、一番目立つ場所を取り除くわけですから、すべてに目が向いてしまう傾向があります。

そんな中で、FTMの方も再度生物学的に女性だと認識はしたくないと思いますが、乳がんのことも少し知っておいた方がよいかと思います。

乳がんは、今や女性の12人に1人が発症するがんで、学校のクラスの3人ぐらいは、将来的に発症します。

男性ホルモン治療の有無

とくに、男性ホルモン未治療の場合は、ふつうの女性と発症率は変わりませんが、男性ホルモン治療している場合は、その頻度はかなり低いものになるデータもあります。

胸オペ後の乳がん発症率

一般的には、FTMが胸オペすると乳がんの発生率は普通の女性に比べて低くなると言われています。

そのリスクの発症率は、家族性の乳がん遺伝子を持つ女性が、予防のための乳腺摘出した際の発症率2%より低くなるようです。

その他のデータでは、全乳がんの0.5%以下と通常の男性の発症率と近似すると考えられます。

乳がん発症率が低くなるが…

男性ホルモン治療を受けているFTMが乳がんの発症率が低いのは、男性ホルモンが乳がんのリスクを減少させているからと考えられています。

しかしながら、男性ホルモン治療を受けていても、乳がんになることはあります。

おそらく限りなく乳がんになるFTMは少ないためにこのような報告も少ないと思われますが、少ない中での海外の報告があるのでご紹介します。

5件の乳がん発症のうち4件が乳がん遺伝子ERレセプターを持っていました。2件は27歳と53歳でいずれも胸オペはしていないFTMでした。

残りの3例の組織型はすべて乳首または乳輪にできる乳管がんでした。これらのすべてのFTMは胸オペは行っていました。

※胸オペ時には、乳首・乳輪を切除しないためです。

乳がんは乳腺組織だけでなく、乳首に含まれる乳管にもがんができることがあります。

特殊型乳がん
・乳管がん
・乳頭がん

3例の男性ホルモン治療の内訳は、
①20歳から13年男性ホルモン治療していて、33歳で発症。

②男性ホルモン歴6か月、42歳で発症。

③15年の男性ホルモン歴で発症は41歳でした。

乳がんのスクリーニング検査

一般的に、胸オペをしていないFTMは、女性が同じにするマンモグラフィー検査が推奨されています。

報告されたデータなどをすべて支持するわけではありませんが、胸オペをしたひとも、心配なひと、男性ホルモン治療をしていても、家族に乳がんがいるひとなどは、家族に乳がん遺伝子を持っている場合があります。

まずは遺伝子検査、乳がんスクリーニング検査はした方がよいでしょう。

検査方法は、マンモグラフィー検査でなく、MRI検査が適しているかもしれません。

乳がんを心配されている方には、手術前にMRI検査、術後にも検査ができます。

参照:Breast Imaging of Transgender Individuals: A Review(2018)