性同一性障害(GID)認定医 大谷伸久

性同一性障害gidの改名について

性同一性障害gid当事者にとって、名前は深刻な問題です。最近では、見ただけでは性別がわからない名前もありますが、名前だけで男性か女性かわかる場合も多いことでしょう。

FTMであれば、外見的に男性であるにもかかわらず女性的な名前、MTFであれば外見的に女性なのに、男性的名前であると、生活する上で支障を来したり、不便さを感じる場面は多くあります。

現在の戸籍上の性別と性自認とが一致しないで、性別に違和感を抱える性同一性障害gidにとって、名前を変えるという「改名」は、生活する上での支障来すことや不便さを改善することができる可能性が大いにあります。

改名は、性同一性障害gid当事者だけに限らず、一般人でも認められています。戸籍法により、「正当な事由」があり、家庭裁判所が認めてくれると名前を変更することができます。名前の変更を家庭裁判所に改名の審判を申請することができます。

改名するための理由

改名の理由はさまざまです。

  • 1奇妙な名である
  • 2難しくて正確に読まれない
  • 3同性同名者がいて不便
  • 4異性とまぎらわしい
  • 5異性とまぎらわしい
  • 6神官、宗呂となった
  • 7通称として永年使用した
  • 8その他

性同一性障害の場合は、8のその他に〇をつけて申請します。
改名は、15歳未満は親権者が代理となります。15歳以上であれば、自分で手続きできてしまいます。

改名前には、後々家族でのトラブルにならないように、一応、両親に相談してから申請を行いましょう。

正当な事由とは?

「正当な事由」は、名前を変更しないと、その人の社会生活を送る上で、著しく支障を来す場合をいいます。これは、名前を変更を希望する理由や事情、その実際に通称名を使っている場合は、その実情を家庭裁判所に申請して認めてもらいます。

性同一性障害の診断書があるにもかかわらず、他で使っている通称名の資料などを持っていないという理由で、家庭裁判所がすぐに認めないケースもあるようなので、普段に使っている通称名の郵便物の宛名や公共料金の名義などの資料があればスムーズに申請できます。

ただし、本来、性同一性障害gidの改名は、通称名を普段から使っている証明するものがなくても、「性同一性障害gid」の診断書があれば、事足りることが多いようです。

性同一性障害gidの診断書があるにもかかわらず、すぐに認められない場合は、担当官に、現在の切実な事情を説明し、説得するとすぐに認めてもらえることも多いので、すぐにあきらめないで申請してみてください。

※正当な事由によって,戸籍の名を変更するには,家庭裁判所の許可が必要です。
正当な事由とは,名の変更をしないとその人の社会生活において支障を来す場合をいい,単なる個人的趣味,感情,信仰上の希望等のみでは足りないとされています。

性同一性障害の改名に必要な書類と手続き方法

(1) 申立書(家庭裁判所ホームページでダウンロードできます)

(2) 標準的な申立添付書類

  • 申立人の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 名の変更の理由を証する資料:性同一性障害と記載のある診断書

申請方法と許可までの日数

必要な書類を用意したら、①直接家庭裁判所に持参するか②返信封筒を同封し、郵送します。

早い人だとあっさり1~2週間で許可されたと返信されます。疑義などがある場合には、改めて、追加書類、直接裁判所に出向くように伝えられます。

当クリニックの当事者では、裁判所の対応がさまざまです。郵送のみで1週間程度で許可される方もいれば、なかなか許可が下りない方もいます。

許可が下りなかった場合

同じ裁判所でも、1人の裁判官が見ているわけでなく、いろいろな裁判官がいるので、当たった裁判官による判断によります。おかしな?裁判官に当たってしまうと、いつまで経っても許可されません。

また、中には、ホルモン注射をしていないとダメ、性別適合手術をする予定でなければダメという場合もあるようで、本来、治療の有無と改名はまったく別次元の話です。

性同一性障害だからと言って、ホルモン注射をしていなくてはいけないという理由は、医学的には考えられません。おそらく、あくまでも、裁判所の事務手続きなどの決まりきった考えがそもそもの間違いだと思われます。

おかしいと思ったときには、しり込みしないで、自分の考えをはっきり伝えることも有効です。当クリニックで必要な追加書類などありましたら、許可が下りるようにいっしょに考えていきます。

許可されたあとは、どのような手続をすればよい?

戸籍に記載された名前を変更するには、家庭裁判所の許可を得たあとに、市区町村役場に届出することが必要になります。
※ 審理のために必要に応じて、追加書類の提出をお願いされることがあります。

その後、必要に応じて、健康保険証、運転免許証、パスポートなどの名前が変更できます。
関連サイト
性同一性障害のための診断(初診)から戸籍変更まで
性同一性障害の性別(戸籍)変更の方法と手順

自由が丘MCクリニック院長の大谷です

当院は、主に性同一性障害専門クリニックとして、GID学会認定医によるgidに関する診断、ホルモン治療、手術、そして、性別変更までのお手伝いをさせていただいています。
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