性別適合手術は、性転換手術と呼ぶ場合もあります。
Sex Reassignment Surgeryの頭文字を取って、SRSと略します。
性別適合手術に利用可能な手術は広範囲に及び、非常に費用がかかります。
ほとんどの性同一性障害または、トランスジェンダーにとって、性転換手術は究極の目標です。手術を受けるための基準は満たされなければならず、性同一性障害ガイドラインによって概説されています。
法的年齢であること、希望する性として実生活経験をしながら。少なくとも1年間は異性間ホルモン療法を行うことが望ましいです。
手術に関する合併症および手術の長期的な期待に関する知識を持つ必要もあります。安定した精神的健康および他者との関係を維持する能力を示しているだけでなく、性同一性において安らぎの感覚を達成していることが好ましいです。
FTMの性別適合手術
胸オペは、トップサージャリー(top surgery)、子宮卵巣摘出及び陰茎形成(bottom surgery)
は、ボトムサージャリーとも言います。
①胸オペ
多くのFtM患者は、男性ホルモン療法だけでは乳房の大きさをわずかに減少させるだけであるため、乳房切除術を受ける必要があります。
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②子宮、卵巣摘出術
機能している生殖系を切除するために、卵巣摘出術、腟切除術、子宮全摘出術が行われます。
③陰茎形成
生殖器再建では、陰嚢は大陰唇から作られます。外科的に、陰茎を形成します。しかし、勃起として働かせるためには、インプラントを挿入しなければなりません。
日本における性別変更(女性→男性)のための条件
日本における性別変更の条件としては、②子宮卵巣摘出をしている必要があります。
①胸オペ、③陰茎形成は、行っていなくても、性別変更は可能です。
MTFの性別適合手術
MtF患者に対する性別適合手術には、性腺(睾丸)摘出術、陰茎(ペニス)切除術、膣形成術、のど仏切除、豊胸手術(乳房拡大術)があります。
MTF新膣形成術では、陰茎の皮膚を反転させ、陰嚢を大陰唇として膣壁を形成します。タンポン拡張器(ダイレーション)を装着して腟の深さと幅を維持します。小陰唇と陰核が形成され、陰茎の先の先端から神経血管が供給されます。
①睾丸摘出、ペニス切除、外陰部形成
この手術をする場合には、これらをほぼ同時に行います。
エストロゲン療法は静脈血栓症のリスクを増大させる可能性があるため、治療はしばしば手術のために中断します。
②豊胸手術
ある程度まで乳房が成長するので、少なくとも2年間の女性ホルモン療法が完了するまで豊胸手術を延期すべきです。
MtF患者の50~60%が、女性ホルモン療法単独では乳房の発達が不十分であると考えているため、乳房増大がしばしば求められます。女性らしさの象徴の1つですが、必ずしも行う必要はありません。
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③その他
顔面および体毛を除去するためにレーザー脱毛治療をし、顎の幅をより女性的な外観に縮小するための手術を考慮します。
日本における性別変更(男性→女性)のための条件
性別変更の際には、①+②+③を行っている必要があります。
性別適合手術後のホルモン治療
希望する性の身体的特徴を失うことを恐れて、異性間ホルモン療法の継続を選択します。MtF患者では、術後に女性ホルモンを減量すべきです。
一部の研究からは術前用量の半分まで減量し、血清ホルモン値に基づいてさらに用量を漸増することを推奨されています。FtM患者はしばしば術前に使用した用量で男性ホルモン療法を続けますが、半分まで減量できます。
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【医師 大谷伸久の経歴】
平成6年北里大学医学部卒業(医籍登録362489号)
国立国際医療センター、北里大学病院、順天堂大学医学部研究員などを経て、
平成20年:自由が丘MCクリニック開業
GID(性同一性障害)学会認定医、テストステロン治療認定医