性同一性障害(GID)認定医 大谷伸久

現在男性ホルモン治療されている方は、男性ホルモンの副作用、男性ホルモンが適切な量、もしくは間隔でよいのかなどを調べるために、たまに会社検診、健康診断などを含めて血液検査をしていると思います。

とくに健康診断の結果に対しては、異常だとか要検査などと記載はあるものの、なにが異常なのか説明の記載がありませんよね?

血液検査でなぜ異常値と判断されるのか?

血液検査結果を見るときに気をつけないといけないのは、性別変更されていない場合は、「女性」としての基準値で判断されてしまうことです。

必ずしも異常とは限らない!

通常、男性ホルモン治療を開始すると、身体は男性であるので、本来女性の値で見ると少し基準値がずれます。たいてい、女性としての値だけでみてしまうと、「異常値」として判断されますが、男性の基準値は女性より高いため、異常値になりません。

多少、これらの数値が高くなると男性の正常範囲内なのに、女性の数値で当てはめてしまうとその範囲を超えてしまうのです。

男性としては正常値なのに、女性として検査していると異常とみなされる検査項目

血液一般の項目

  • ヘモグロビン(Hb)
  • ヘマトクリット(Ht)

たいてい男性ホルモン治療していると若干上昇します。また、一応、多血症は、ヘマトクリット(Ht)の項目で見ます。ヘマトクリット52以上くらいだと少し血液が多いかな?という感じです。

短期型の250㎎男性ホルモンで、注射する間隔が短いと、ヘマトクリットが高くなる傾向にあります。ネビドでは、ヘマトクリットの数値が短期型ほど上昇しません。

短期型の男性ホルモンで、極端に高くなりやすいのは、ホルモン濃度が生理的基準値を超えてしまうからです。

本来の男性ホルモンは、グラフの血液濃度2.01から7.50の範囲内ですが、最大値を超えてしまいます。

その他にも男性ホルモン治療を始めると少し数値が高くなる項目もあります。順次掲載していきます。

【関連記事】
FTMの男性ホルモン注射治療について

自由が丘MCクリニック院長の大谷です

当院は、主に性同一性障害専門クリニックとして、GID学会認定医によるgidに関する診断、ホルモン治療、手術、そして、性別変更までのお手伝いをさせていただいています。
クリニックのご案内
ホルモン治療、手術についてわからないことなどありましたら、気軽にライン、またはメールからお問い合わせください。