下垂が微妙なひとの胸オペとはどのような感じ?
たるみの程度が微妙な胸は②に当たります。
胸の一番下に当たるところが、アンダーバストにかかるぐらいに下垂しています。
そのため多少のたるみが出る可能性がありますが、皮膚に弾力性がある場合にはたるみが生じない場合もあります。
皮膚に張り、弾力性があれば、術後皮膚のたるみが出ない人もいますが、術後皮膚のたるみが生じた場合には、やはり術後に余った皮膚を切除しなければいけません。
多少の下垂があっても、キズが大きく残る手術を安易に選択するのではなく、とりあえずは、傷跡が一番小さいU字切開で行うのがよいでしょう。
イラストを見て、
手術方法
下垂が軽度の場合
たるみが出る可能性が高いタイプですが、皮膚に弾力性があれば、たるみが生じない場合もあります。
※皮膚の弾力性:乳房の皮膚をつまんでも伸びない場合たるみがでにくい、肘の裏みたいに皮膚がつまめてしまう場合は、皮膚にあまり弾力性がなく、たるみやすいといえるでしょう。
若ければ若いほど、皮膚の弾力性はあります。多少胸のボリュームがあっても、重さに耐えるくらい皮膚の弾力性があれば支えることができるからです。
たるみが出るか出ないか微妙な下垂乳房のオペのポイントは、皮下脂肪をできるだけ残すことです。
脂肪を残すというと語弊があるかもしれませんが、これは次回の修正手術のための下地つくりです。
初回に乳房の皮下脂肪をたくさん取ってしまうと、皮膚が薄くなってしまい、最初から手術結果が皮膚のたるみを残してしまいます。
皮下脂肪を残すことにより、急激な皮膚の収縮を抑えることができ、時間ととも皮膚が馴染むことを期待できます。
そのため、この微妙なタイプは、初回の手術で完成というわけにはいかないところが難点です。
ただ、元々からだがぽっちゃりしている方だと、乳房に多少のふくらみがあっても解剖学的には自然といえます。
通常のぽっちゃりした男性もしくは中年男性の胸、もしくは、極端なことをいうとお相撲さんの胸を想像するとよいでしょう。
ただ、これではFTMのひとは納得しない方もいます。それは、ふくらみ=胸、おっぱいだからです。ダイエットをしていくと、お腹の脂肪がなくなれば、それに連動して胸の皮下脂肪もなくなります。
たるみが生じる場合
ドーナツ切開
乳輪の周りを切開切開する方法です。この手術の傷跡は、意外に目立つものです。
乳輪を全周切開するため、乳輪が白い傷跡でくっきりしすぎてしまう欠点があります。また、乳輪、乳首への血行が乏しくなるため、組織が腐ってしまうことがあります。
海外では、下垂がそれほどなくても、乳房のサイズが大きいというだけで、この方法が選択されることが多いです。
タイでの手術にも多く選択されている傾向にあります。傷跡が目立つため、乳輪が不自然なことが多いのも特徴です。
微妙な下垂の症例写真
向かって右側は、アンダーバストより下にはみ出ているケースです。下垂が進行し始めている症例です。アンダーバストに指が隠れてしまいます。pencil test(+)。
このタイプは若干たるみが出ることが多いので、タイで胸オペする場合は、1回で済ませたいために大きいキズにされてしまうことが多いです。
あまり皮膚に弾力性がないので、どちらかというと皮膚は柔らかく、つまめて伸びます。
オペ前です。向かって写真の右側は左に比べて、すでに手術前より少したるみがあり下垂しています。
このような場合、乳腺のみを摘出すると、術後にどうしても皮膚が余ってしまいます。
ただし、通常、軽度の下垂で大きいキズ跡が残ってしまう手術方法を選ぶ、もしくは、最初から希望する方はいません。
そのため、ご本人の了承の上で、皮膚のたるみは残る前提で初回は乳腺のみを摘出します。
初回のオペでは、乳輪からのU字切開で行い、乳腺は全部摘出し、脂肪は極力残すようにしています。案の定、右側が少したるんだ感じがします。
でも、心配しないでください。
これくらいであれば、目立つ傷跡が残るような追加切開はありません。大きい傷跡を残すことなく、修正できます。
最初から、大きい傷跡が残る方法は選択せず、とりあえず、U字切開で行ってみるのがよいタイプです。ただし、これ以上下垂しているとこの方法では難しく、皮膚のたるみが残ります。
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