性別変更における世界の法制度

性同一性障害(GID)認定医 大谷伸久

性別変更は、世界の3分の1の国が、パスポートなどの書類に記入する性別の変更を認めている。

性別変更に関する法律の世界状況は、急速に変わりつつあるものの、はっきりした情報が得られない国もある。

法的に性別を変更できる

5か国は無条件で合法。これらの国では、本人が申請すれば性別を変更することができる。

41か国は合法だが、社会的、医学的な条件がある。日本はこの区分に分類される。
日本の性別変更の手順

法律では、性別変更が認めれた国のほとんどでは、精神科医の診断を必要とする。子どもがいないこと、未婚であることが条件にする国も多い。

国によっては、ホルモン治療や性別適合手術(SRS)、不妊手術を受けることを条件にされる。こうした規定を人権侵害だと批判する支援団体もある。

法律上の性別変更、訂正については、ジョグジャカルタ原則において、「何人も自己の性別自認の法令承認のための条件として、性別適合手術、不妊、またはホルモン治療などの医学的処置を強制されない」と宣言している。

地域によっては合法だが、条件によっては厳しい

4か国は、合法かどうかは、その国の認可の条件が国内、地域によって異なる。
米国を含めたいくつかの国では、地方自治体の政策が優先されていて、性別変更を認めるか否かもその条件が地域ごとに異なる。

27か国は合法とされているが、法の適応状況は一貫していない。
性別の変更を認める法律はあっても、あいまいな規則や裁判所の判断、官僚的な手続が障壁になるなどして、変更できないこともある。

性別変更できない、または情報なし

67か国は法的に変更不可能

性別変更を認可する法律がない。一部の国では極端に厳格で、出生時に判定された性別にそぐわない衣服の着用を犯罪とみなしている。

タイ王国は、性別変更の手術を多く行っている国の1つであるが、意外にも性別変更ができない国である。

性別変更の法律に関するデータがまだ集まっていない国や合法化の議論が始まったばかりの国が多くある。

一部の国では、性別変更の是非を問うことすらタブー視されている。

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世界各国のトランス当事者に対する法律や政策の影響を詳しく紹介しています。ILGA Worldによる調査プロジェクトによる2020年9月に発表された最新版では、143の国連加盟国の法的状況をカバーしています。

トランスやジェンダーに多様性を持つ人々が、公的な身分証明書に記載されている性別、法的に名前を変更する方法を定めた条項に焦点を当てているほか、明示的にも事実上も、トランスのアイデンティティを犯罪として取り締まる法律に関する情報も収集し、世界のあらゆる地域におけるコミュニティの状況を調べています。

自由が丘MCクリニック院長の大谷です

当院は、主に性同一性障害専門クリニックとして、GID学会認定医によるgidに関する診断、ホルモン治療、手術、そして、性別変更までのお手伝いをさせていただいています。
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