性同一性障害(GID)認定医 大谷伸久

ポイント】

・フィナステリドは、FTMの薄毛の治療に一定の効果がある。

 

FTM薄毛に悩んでいる方へ

内服なら「フィナステリド(プロペシア)」(または「ザガーロ」)、塗り薬であれば、「ミノキシジル」を使うとよいかと思います。

・ザガーロについては、FTMの臨床試験のデータがありません。

・ミノキシジルの飲み薬は、副作用が出やすいため、長期の使用は勧められません。

FTMの男性ホルモン治療において、長い間注射していると男性型脱毛症・薄毛を引き起こします。

男性の薄毛治療には、飲み薬タイプのフィナステリド(プロペシア)が効果的ですが、FTMに関してのフィナステリド(プロペシア)の使用についての研究報告が今までにありませんでした。

2017年に海外の医学論文で、フィナステリド(プロペシア)1㎎を1年間内服してもらって、効果、安全性がどうかを調査したものが報告されました。対象は10人であるものの一定の効果があることがわかりました。

FTM薄毛にフィナステリド(プロペシア)は効果があるのか?安全性は?

対象としたFTMは10人と少ないですが、経過観察期間は12カ月として、評価をしています。内服に使用したフィナステリド(プロペシア)は1㎎/日。

FTM薄毛にフィナステリド(プロペシア)を使用した結果

対象患者は、ステージⅣの薄毛パターンの診断を受けていた。薄毛になった時期は、男性ホルモン治療を開始後3.25年。患者の70%に家族に薄毛のひとがいました。

フィナステリド(プロペシア)を開始してから、平均5.5カ月で1グレード改善した。2名の患者が経済的理由と消化不良のため中止したが、それ以外のFTMに重大な副作用は認められなかった。

FTMの薄毛・脱毛パターンは、女性型の脱毛症のパターンでなく男性型に似ていると言える。

結局、FTMの禿げの治療はどうすればよいか?

短い期間に頻回に男性ホルモン注射をすると、男性の生理的な基準内でも比較的高く維持する場合もあり、悪いことがあってもよいことはありません。たまに適正な間隔か血液検査して確認をお勧めします。

・250mgで短期間で注射している方は、間隔を延ばしてみる。
・125㎎に変更してみる。
・男性ホルモンの用量を減らしたり、変えてみても変わらないのであれば、最終的には禿げ防止の薬であるフィナステリドを内服、塗り薬(ミノキシジル)することも考慮してもよいかもしれません。

現在のところ、薄毛に効く薬は、フィナステリドとミノキシジルのみしかありません。

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【参考文献】
Short- and long-term clinical skin effects of testosterone treatment in trans men.
J SexMed.2014 Jan;11(1):222-9

自由が丘MCクリニック院長の大谷です

当院は、主に性同一性障害専門クリニックとして、GID学会認定医によるgidに関する診断、ホルモン治療、手術、そして、性別変更までのお手伝いをさせていただいています。
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