FTMの男性ホルモン注射の急な中断はできるだけ避けた方がよい

男性ホルモン治療を始めたけど、いろいろな事情で中断しなくてはいけないこともあるかもしれません。

ネットなどの口コミなどでは、中断すると「死んでしまう」などと記載されたものもあるようです。もちろん、死んでしまうなんてことは一切ありません。

急に止めてはいけない理由

しかし、男性ホルモン治療を急に止めてしまうと、身体のホルモンバランスがいっきに崩れてしまうことは確かです。

とくに、長い期間、男性ホルモン治療しているひとはなおさらホルモンバランスが崩れやすい傾向にあります。その結果、体調が悪くなることもあります。

男性ホルモン治療を長期に続けていると、卵巣の機能が低下して、女性ホルモンが分泌されなくなります。また、治療期間が長いほど、卵巣は弱まっているかもしれません。

男性ホルモン治療を止めると、機能が止まっていた(休眠中だった)卵巣がすぐに復活してくれればよいのですが、なかなか復活しない、もしくは、復活するのに時間がかかる場合、女性ホルモンが正常に分泌されるまでの期間は、体内に性ホルモンがないため、身体の調子が悪くなる可能性があります。

中断によって起こりえる症状

性ホルモンがない症状、いわゆる更年期症状があらわれることがあります。

精神系の症状

やる気が起きない(うつ)、朝起きられない、ちょっとしたことでイラっとする、不安にかられる、疲れているはずなのに眠れない、グルグル回っている感じがする、頭痛

血管系の症状

暑いわけでもないのにのぼせる、ほてる(ホットフラッシ)
ふつうに行動しているのにドキドキする、急に汗をかく、寝汗がすごい、息切れ、むくみ

分泌系の症状

無性にのどが渇く、スマホを見ていると目が乾きやすい(ドライアイ)

消化器系の症状

胃もたれ・胸やけ、吐き気、下痢・便秘

運動系の症状

肩こり・腰痛・背中の痛み、関節痛、しびれ

前もって止める予定がある場合は?

  • 容量を減らしていく
  • 注射する間隔を伸ばす

例えば、250mgで治療している場合は、125mgに減らし、今までと同じ間隔にする。

その後は、容量はそのままにし、注射する間隔を伸ばしていきます。この間隔を4,5週間隔にし、2クールほどしてから止めるのがよいでしょう。

このようにゆっくり体内の男性ホルモンを減らすことにより、身体が男性ホルモンの少ない状態に順応していきます。

内摘していないひとは、次第に卵巣の機能が回復してくることが多いので、治療前のように女性ホルモンが分泌されていきます。ただし、男性ホルモン治療の期間が長いひとは、回復にも時間がかかります。

以上を踏まえて、計画して男性ホルモンを徐々に減らしていきましょう。

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男性ホルモン治療のQ&A

FTMの男性ホルモン治療について

自由が丘MCクリニック院長の大谷です

当院は、主に性同一性障害専門クリニックとして、GID学会認定医によるgidに関する診断、ホルモン治療、手術、そして、性別変更までのお手伝いをさせていただいています。
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